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その7より 虐待部屋を出た男と、抱えられたれいむ。 「ゆっくりどこにいくの?」 「隣の部屋さ」 「ゆっ?」 隣の部屋? 一体、隣の部屋に何があるのだろう? 男は隣の部屋の扉の前に行くと、徐に扉を開けて、中に入った。 一緒に隣の部屋に入ったれいむは、その部屋を見て、呆気に取られた。 「ゆゆゆゆゆっ!?」 そこはれいむが虐待以外の時間を過ごしていた、あの二畳半の部屋であった。 床にはブルーシートが敷かれ、部屋の隅にはドッグフードと水の張った桶が置いてある。 そして、部屋の中心には、さっきまでれいむが包まって毛布が無造作に投げ捨てられている。 「れいむ。この部屋は誰の部屋だ?」 男がれいむに問いかける。 「ゆっ……ゆっ……」 れいむには答えられなかった。 間違いなく自分がいた部屋である。しかし、部屋なわけがなかった。 れいむの隣にある虐待部屋、そこにはありすが住んでいたはずなのである。 「れいむ、不思議だろう? なんでありすがいるはずの部屋が、虐待部屋になっているんだと思う? 一体、ありすはどこで生活していたんだろうな?」 「ゆっ……」 「まあ、答える前に次に行くか」 男はそう言うと、れいむの部屋を出て、もう一つの隣部屋に入っていった。 れいむは、その部屋にも見覚えがあった。 「ゆゆっ!! ここは!!」 「覚えているか、感心感心。その通り、この部屋はお前たちが初日に箱の中で眠っていた部屋だ」 2か月半もたってはいるが、れいむは未だこの部屋を覚えていた。 何しろこの部屋は、れいむが初めて過ごした人間の家の部屋であり、恐怖を感じた未知の空間だったからだ。 忘れたくても忘れられなかった。 しかし、やはりおかしい。 ここは本当なら、まりさが住んでいたはずである。 それなのに、机や椅子が置いてあり、棚の中には本が置かれている。 それと引き換え、ドッグフードや水の桶は置いていなかった。 まりさは以前、部屋には何もないと言っていた。 それなのにこの空間といったら、物で溢れているではないか!! 「な、なんで……!?」 ポツリと言葉が出ているれいむ。 もう訳が分からなかった。 まりさとありすはゲスでレイパーだった? でも、れいむの知っているまりさは、ゲスではなかった? 親友のありすは、とても優しかった? れいむの隣の部屋には、まりさとありすが住んでいた? 隣の部屋は、虐待部屋? 隣は、最初にれいむが来た部屋? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? 一体どうなっている? 男は放心しているれいむを抱えて、再び虐待部屋に戻ってきた。 れいむを床に置いて、こっちを見ろと、命令してくる。 虚ろな表情で、男を見るれいむ。 男は、ポケットに手を突っ込むと、ゴソゴソと何かを取り出してきた。 男は取り出してきたそれを、れいむの目の前に掲げた。 「ちょうちょさん?」 れいむは、初めそれが蝶々のように見えた。 しかし、目を凝らして見てみると、無機質なそれは、決して蝶々でないことが理解できた。 蝶々のような何かを見せて、いったいどうするつもりなのだろう? れいむが考えを余所に、男は真っ赤な蝶々を自分の口元に持ってくる。 そして、口を開いた。 『ゆゆっ!! まりさのおよめさんのれいむ!! なんでそんなかおしてるの?』 「!!!」 れいむは、目を見開いた。 突然、どこからか、まりさの声が聞こえてきた。 その声色は、あの優しかったまりさの声その物であった。 れいむは部屋の中を見渡した。 透明な箱の中には、ボコボコにされたゲスまりさが、弱弱しく蹲っている。 こいつが話した訳ではないだろう。 なら、いったいどこから聞こえてきたというのだ? れいむが、忙しなく体を動かしていると、再びまりさの声が聞こえてきた。 『れいむ!! まりさはここだよ!! ゆっくりりかいしてね!!』 声の聞こえる方に目を向ける。 そこにあるのは、真っ赤な蝶々に口を当てた男の姿だった。 まさか、この男が言ったのだろうか? いや、そんなはずはない!! 今のは、明らかに男の声では無かった。 れいむの愛するまりさの声だった。 だったのだが…… 『ゆゆっ!! ゆっくりまりさのことが、わかったみたいだね!! うれしいよ、れいむ!!』 確実だった。 声は男の口元からしっかり聞こえてくる。 れいむは、益々理解が出来ない。 男はその後、蝶々を口元から離すと、手の中で蝶々に何かを施した。 そして、再び口元に持ってくる。 『ありすとれいむは、いつまでもしんゆうよ!!』 「!!!」 次に男の口から飛び出してきたのは、れいむの親友のありすの声。 もう何が何だか分からない。 れいむの餡子脳は、明らかに処理能力の限界を超えていた。 「わからないよ……」 ゆっくりちぇんの様な事を呟くれいむ。 目は虚ろで、焦点が全くあっていない。 男はれいむの態度を見て、ニンマリ微笑むと、口元から蝶々を離し、れいむに顔を近づけた。 「れいむ、一体何が分からないんだ?」 「……」 「まりさとありすが、ゲスのレイパーだった事か? それとも、隣の部屋が、虐待部屋だった事か? もしくは、俺の口から、まりさとありすの声が聞こえたことか?」 「……」 「まあ全部だろうな。今から順に説明していやるよ」 「……」 「まず、お前が初めてここに来た時、出会ったまりさとありすはこの二匹だ」 男はそう言って、透明な箱をバンバン叩く。 その度に、二匹は恐怖に歪んだ表情を見せてくれる。 「さっきのこいつ等の態度と映像で気づいているだろうが、こいつ等はゲスでレイパーだ。あの日、お前が見た二匹は、全部こいつ等の演技だったんだよ。 俺はこいつ等と契約してな。報酬を与える代わりに、俺のやることに付き合えって言ったんだよ。まりさの報酬は、美ゆっくり100匹。ありすは美ゆっくりに整形してやることだ。 ま、契約といっても、守る気なんてサラサラ無かったがね。こいつ等を釣るために口から言った出まかせだ。 ちなみに、整形ってのは、言ってみれば無理やり人工的に綺麗にするような事だ。お前が見たまりさ、美ゆっくりだっただろ? あれは、俺がしてやったんだ。 まあ、俺がしたというより、金を出して専門家にしてもらったというほうが正確なのだがね。元々は十把一絡げのどこにでもいる汚いゲスまりさだったんだぜ。 全く技術の進歩ってのはすごいよな。それとも、体の構造が単純だから、そんなことも出来るのかねえ?」 「……」 「まあ、そんな訳で、こいつ等は手伝ってくれることになったんだ。田舎者のれいむを思いっきり馬鹿にしてやるって言ったら、二匹ともノリノリだったな。 心底ゲスな奴らだね。まあ、俺も他人のことは言えないんだが、ハハハ」 「……」 「で、映像で見た通り、その日こいつ等は虐待をされなかった。虐待されていたのは、お前一匹だけだったんだ。でもお前は全員虐待されたと思っただろ? なぜだ?」 「……」 「なぜなら隣の部屋にいたまりさとありすも、同じく虐待を受けたってお前に言ったもんな。だから、お前は自分だけでなく、二匹も虐待されていると思い込んだ」 「……」 「もう気づいているんじゃないか、れいむ? あの声の正体に?」 「……」 「言ってほしいか、本当の声の主を?」 「……」 「それでは言ってやろう。あの壁越しに聞こえたまりさとありすの声の正体、それはなんと……」 「俺でした〜〜〜!!!!」 「…………」 「あり? 反応が薄いな。もっと愕然とした表情を見せてくれるかと思ったんだが……まあ、良いや、続けよう。お前が壁越しに話していた二匹は、俺がこいつを使ってしていたことだ」 男はそう言って、真っ赤な蝶々をれいむの目の前に掲げてくる。 「これはな、以前香霖堂という店で手に入れた物だ。このようにダイヤルを合わせると、好きな声を出すことが出来るんだ。 『まりさのおよめさんのれいむ!! そんなかなしそうなかおをしないでね!!』 『しんゆうのれいむ!! ありすがすりすりしてあげるわ!! ゆっくりなかないでね!!』とまあ、こんな風にな」 「……」 「何でも外の世界から流れてきた本を参考に、かっぱが制作した物らしい。それを香霖堂の店主が、ツケの代わりに貰ったそうだ。 高かったんだぜ。それ以上に非売品でな。店主もこれは商品じゃないと、中々売ってくれなったんだ。しかし、俺の努力の甲斐あってな。ようやく売ってくれたんだ。 一週間毎日のように通い詰めたもんだから、向こうもいい加減嫌気がさしたんだろうな。悪いことしたよ」 「……」 「で、これを使って、二匹のふりをしていたという訳だ。両方の違う壁から声が聞こえてきただろ。それには、このスピーカーを使ったんだ」 男はポケットに手を突っ込むと、丸い物を二つ取り出し、れいむの前に置いてやった。 『ああ、ああ、聞こえますか? 聞こえますか?』 『とかいはのありすよ!! ゆっくりへんじしてね!!』 男が出した丸い物体から、声が飛び出してくる。 最初のセリフは右側の丸から、後のセリフは左側の丸から聞こえたものだ。 「これをありすのいた部屋というか、この虐待部屋の壁に貼り付けていたんだ。で、もう一つの方は、本当はまりさがいるはずだった部屋に貼り付けた。 まりさの声を出す時はこっちのスピーカーから、ありすの声を出す時は、もう一つのスピーカーから声を出していたという訳だ。 だから、お前には両壁から、声が聞こえてきたという訳だ。だいたい分かってきたろ」 「……」 「つまりだ。お前が二か月半もの間、毎日のように話をしてきた相手は、なんとこの俺だったというわけだ」 「……」 「虐待部屋とお前の部屋を往復する時、木箱にお前を詰めただろ。それはな、これを知られないためだったんだよ。隣が虐待部屋だって気付かれたら、計画がすべておジャンだからな。 最初からお前だけが、虐待されていたんだよ。架空のまりさとありすは、どこにもいなかったという訳だ」 「………………」 れいむはようやく理解できた。何もかも理解出来てしまった。 れいむは、ひたすら男の掌の中で踊っていたということが。 「ここに来てまりさに出会い、一目で惚れたよな。横から見ても、アリアリと分かったよ。でどうだ、今の気分は? 実際のまりさはゲスで、美しさも作られた物だと知ってしまった気分は? そんなゲスまりさと婚約した気分は? 悔しいかい? 悲しいかい? どうなんだい?」 「……」 「それからありすもね、本当の姿はレイパーだったんだよ。あ、ちなみにこいつの親がレイパーだってのは本当の話だぞ。 ただ、嘘だったのは、こいつがレイパーを憎んでいるって話な。こいつ自身、生粋のレイパーだから。むしろ、親以上だろって言いたくなるほどのな。 どうだい。そんなありすと親友になれて? 君たち、確か親友だよね? これからも親友でいようって約束したよね? レイパーと親友になった気持ちは? 教えてくれよ!!」 男はニヤケ顔を止めず、れいむに言ってくる。 何を馬鹿な事を言っている。 自分が大好きだったのは、あの勇敢で凛々しいまりさだ!! 自分の親友は、優しく本当の都会派であったありすだ!! 決して、この透明な箱の中で醜い姿を曝している二匹ではありはしない!! 「れいむがおよめさんになったのは、このげすまりさじゃないよ!!!! れいむのしんゆうは、こんなれいぱーありすじゃないよ!!!!」 れいむは今までも鬱憤を晴らすかのように、盛大に叫んだ。 しかし、男は一向にニヤケ面を改めようとしない。 寧ろ、男にとっては、その言葉を待っていた節すらあった。 「そうか、こいつ等は婚約者でも親友でもないか。それなら、お前の本当の婚約者と親友は、一体どこにいるんだ?」 「ゆっ!?」 「ああ、そうか。お前の本当の婚約者は俺か!! 本当の親友は俺なんだな!!」 「ち、ちがうよ!! ゆっくりごかいしないでね!!」 「誤解も何もそう言うことだろ? お前が2か月半も一緒に生活してきたまりさとありすは、全部俺の演技だったんだから」 「ぢがうよおおおおぉぉぉ――――――――!!!」 「本当にいろいろな事を話したよな。一緒に俺の悪口を言ったり、作戦会議をしたり、ここから出られたらどうするか話し合ったり」 「やめでええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――!!!!」 「途中、お前の居場所が無くなってきただろ。あれはな、俺がそうなるように仕向けたんだよ。まりさとありすを演じて、お前が一匹除け者にされるようにな。お前の焦りっぷりったら、止められなかったぜ」 「いうなああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!!」 「そう言えば、ありすというか、ありすを演じた俺の告白はどうだったよ? 迫真の演技だっただろ? あれでお前はまりさに告白する決意を固めたんだもんな」 「やめでええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――――!!!!」 「しかもその後自分から虐待まで受けるとは。プププ、そんなにまりさと対等になりたかったのかい? その為に、怖い怖い虐待を進んで受けたのかい? 俺が相手だとも知らずに、プププ。おお、愚か愚か」 「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!!!!!」 「ありすを出し抜いた気分はどうだい? 優越感に浸れただろ? でも、今思えばとても恥ずかしいよね? 何しろ、俺に告白して、俺に優越感を感じているんだから」 「ゆぎゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――!!!!!!」 「そもそもさ、おかしいと思わないのかねえ。自分から進んで虐待を受けたがる奴なんて、いるはずがないじゃん。 家族の為ならまだしも、他ゆっくりの為に自分から進んで痛い目に会うって、いったいどんなマゾよ。 それにさ、ありすにしても変だろ。 お前のしたことって完全に裏切りじゃん。それなのに許すばかりか、いつまでも親友でいようねなんて、いったいどこの聖人君子よ。 真に都会派のありすなんて者がいたら、一遍お目にかかってみたいわ。まあ、そんなもん、いないだろうけどな」 「……もう、やめでよ」 「れいむ、お前は最高のゆっくりだったよ。お前を選んで本当に良かった。 森の中で伸び伸びと暮らし、呑気で疑うということを知らない無垢なゆっくりが、少しずつ負の感情に染まっていき、狡猾で計算高くなっていく様をしっかりと見させてもらったよ。 俺としては、お前の性格の変化によっていくつかの結末を考えていたんだが、その中でも最高に近いエンディングを見せてもらったよ。本当にお前は名タレントだった。 俺の掌の中で遊ばれているとも知らず、自分の作戦が順調に進んでいると思っている姿を見たら、途中で何度本当のことを言い出してしまいそうになったことか。 いやはや、危なかったよ。しかし、我慢したおかげで、こんなに素晴らしい喜劇を制作することが出来た。ありがとう、れいむ!!」 「……やめてよ」 「ただ、一つ失敗したのは、あのゲスとレイパーをボコボコにしてしまったことだな。本当なら、万全な姿でお前に会って欲しかったんだが。 その方が、お前にとってこみ上げるものがあるだろ。何しろ、虐待をされてるのは、正真正銘お前だけなんだから。 同じ虐待をされる仲間がいるからこそ、今まで耐えられてきたのに、実は自分だけが虐待されていると分かったら。 良ゆっくりであるお前だけが虐待されて、ゲスとレイパーはそれを見て笑ってるんだから。どうだ、想像しただけで、来るものがあるだろ?」 「……」 「しかし、こいつ等はあまりにもゲス過ぎた。俺の神経を逆なでしすぎたんだな。映像を見ればわかるだろ。じじいとか言ってくんだぞ、こいつ。 いやはや、すっかり我慢できずに、こんな姿にしちまったよ。ゲスの虐待なんて、やりすぎてもう飽き飽きなんだがね。はあ、惜しいことをした……」 「……」 「れいむ、また口が止まったぞ。会話はキャッチボールだ。お前も何か言えよ」 「……」 「おい、何か言えって」 「……ゆっくりここからだしてね」 「はあ?」 「……ゆっくり、このおうちからだしてくれるっていってたよ……ゆっくりまもってね……」 れいむはもうすべてどうでもよかった。 男の話は、しっかり理解した。自分がピエロだったことは、十分理解出来た。 もうどうでもいい。 まりさがゲスだったことも、ありすがレイパーだったことも、男がずっと自分を騙していたことも、どうでもよかった。 ただただ今はこの家を出たい。 外の空気を思いっきり吸い込みたい。 すべてを忘れたい。 れいむは、何度も「ここからだしてね」と繰り返した。 「……タレントなら、最後までしっかりと責任を持ってほしいものだがな。まあいいだろう。お前の消沈ぶりを見せられれば十分だ。家から出してやるよ」 男は虐待部屋の扉を開けると、「ついてこい」と、れいむに顎をしゃくる。 れいむは、虚ろな目をしながら、ただただ男の後に続いて行った。 男は玄関前にやってくると、ドアノブにてを掛けた。 しかし、そこでピタリと手を止めてしまう。 「れいむ、本当に帰るんだな?」 「……ゆっくりはやく、ここからだしてね」 男は「確認したぞ」と言いながら、玄関のドアを開けた。 これで帰れる。 これでこの辛い暮らしともオサラバ出来る。 森に帰ったら、すべてを忘れよう。なかったことにしよう。 そうだ、お母さんの所に帰ろう!! きっとこの悪夢は、お母さんの言葉を聞かなかった自分に天罰が下ったのだ。 これからは、お母さんの傍で、ずっとゆっくりしよう。 友達といっぱい遊ぼう。 無限の可能性を秘めた玄関のドアが開けられた。 れいむは、勢いよくそこに飛び込んでいく……が、 「ゆっ……ゆゆ………ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ!!!!!」 れいむの目に真っ先に飛び込んできたのは、白だった。 見る物触る物すべて白一色に染まっていた。 それは、ゆっくりを決してゆっくりさせてくれない大自然の猛威。 一面の銀世界に、れいむは言葉を紡げなかった。 「ああ、一つ言い忘れてた。実は昨日、この冬一番の寒波が来てな。雪が積もりに積もったんだわ」 「ゆっ……」 2か月半。 れいむが男に虐待されている間に、季節はすっかり移り変わり、本格的な冬が到来した。 れいむは気付きもしなかった。 そもそも、れいむのいた部屋には窓がないし、その日を生き抜くのに精いっぱいで、そんなことに頭を回している余裕もありはしなかった。 男が巧みな話術で、それを思い出さないように仕向けていたこともある。 また、ゆっくりの巣と違い、人間の家は防寒に優れており、毛布も与えられていたため、気温の変化も気付きにくかったのだ。 「こりゃあ、雪かきが大変だな。全く嫌になるよ。森の方もさぞかしすごいことになってるだろうな。一面雪が積もって、巣の場所なんて分からないだろうね。 それに、餌はあるのかなあ? 動物も昆虫も冬眠してるだろうし、草も花も木の実だってもうあるわけないよねえ」 「ゆ……ゆ………」 「たいへんだな、れいむ。これからこんなところで生きていかなきゃならないなんて。でも、俺は応援しているよ。 ゆっくりお家を作って、ゆっくり餌を集めて、ゆっくり冬眠していってね!!」 何を馬鹿な事を言っているのだ!! こんなところで暮らせるはずがないだろう。 男の言葉通り、森は雪で埋まり、どこに巣があるかも分からない状態だろう。 今から巣を作るなんて言語道断だし、餌なんてあるはずがない。 その以前に、こんな雪の中を歩いて森に帰れるはずがない。 道中、空腹で死ぬか、寒さで凍え死ぬかが落ちだろう。 れいむは男の顔を覗き込んだ。 男はそんなれいむを見て、ニヤニヤとうすら笑いを浮かべている。 知っていたのだ。 れいむがここから出られないことを。 ここから出ても、待っているのは死だけであると。 れいむが助かる方法はただ一つ。男に助けてもらう以外、方法がないのだと。 悔しかった。 ようやく抜け出せると思っていたのに、結局最後の最後まで、男の手の上で踊っていただけの自分が。 あれほどの仕打ちをしてきた男に助けてもらえなければ、生きていくことも出来ない脆弱な自分が。 れいむは悔しかった。 それでも、れいむは死にたくなかった。 死ぬことが怖かった。 「……おにいさん。ゆっくりれりむをおうちにいれてね」 「なんだ、森に帰りたいんだろう? 遠慮するな、れいむ」 「……ゆっぐりおねがいじまず。れいむをおうぢにいれでぐだざい」 「ふーむ……ま、良いだろう。何しろ俺のお嫁さんだしな。どうだ、前に言ったろ。“まりさ”の家は、人間の家と同じくらいデカイって。 ははは、当り前だよな、俺は人間だもん。大きなお家で暮らせて嬉しいだろ。これからも精々可愛がってやるよ。なあ、れいむ」 「……ありがとう……おにいさん」 おまけ 男は里の道を歩いていた。 生活用品の買い出しと、香霖堂への贈り物を買うためである。 今回の虐待は、香霖堂の店主があれを譲ってくれなければ完成しなかった。 半ば無理やり譲ってもらったような品だ。あの店主は人が出来ているので受け取ってくれないかもしれないが、贈り物でもしないとこちらの気が済まない。 あれだけ壮大な虐待が出来たのも、すべて店主のおかげだ。受け取ってくれなければ、無理にでも置いてくるつもりだった。 男は、幼馴染がやっている和菓子屋に入っていく。 「いらっしゃい……って、なんだお前!! その格好は!!」 馴染みの店員が、男の恰好を見て唖然とする。 「ん、なんかおかしいところでもあるのか?」 「お、おかしいって、お前、寒くないのか?」 男が来ていた服。 白いシャツに、青いジャケット。水色の短パンに、極めつけは赤い蝶ネクタイ。 七五三で男の子が着るような恰好である。 格好のみならず、脛毛がとても痛々しい。 「ああ、寒い」 「寒いって……分かってて、何でそんな恰好してんだよ!? 変態か? 変態なのか? だいたいその眼鏡はなんだ、視力2.0!!」 「誰が変態だ!! 最近、ちょっとしたことにハマってたんだが、この格好のほうがやる気が出てくんだよ。 変態じゃねえよ!! 仮に変態だとしても、変態という名の探偵だ!! ちなみに眼鏡は伊達な」 「探偵って……ああ、もういいわ。お前が変人なのは、昔からだもんな」 「なんだと、この野郎!!」 「まあ、それはさて置き、いいところに来たよ。近々、お前の家に行こうと思ってたんだよ」 「用事でもあったのか?」 「この前みんなで集まってな。今度の春に合わせて、演劇でもしようと決まったんだ」 「へえ」 「でだ、お前も当然参加するだろ?」 「ああ、させてもらうよ」 男は里の劇団員の一人である。 劇団といっても本業でしているわけではなく、趣味の合う者が集まって作られたサークルである。 「ところで、どんな演目をするんだ?」 「まだ決まってないよ」 「ならゆっくりの役を取り入れたらどうだ?」 「ゆっくり? ゆっくりって、饅頭のゆっくりのことか?」 「ああ。自慢じゃないが、俺はゆっくりを演じさせたら、幻想郷一という自信があるぜ」 「……本当に自慢じゃないな」 店員は呆れているようだ。 男はとりあえず、店主への贈り物を選び包んでもらう。 「ところで練習場所はいつものところだな?」 「ああ、そうだ」 「いつから始めるんだ?」 「遅くとも来週には取りかかりたいな」 「分かった。予定をあけとくよ」 男は用事も終わったので、店を後にしようとした。 「おい」 「まだ何か用事があるのか?」 「どうでもいいが、そんな恰好で練習場所にくるなよ。みんな引いちまうぞ」 「うっせえ、俺の勝手だろ」 「バーロー」 〜fin〜 久しぶりだね、兄弟(・∀・)ノ 何が書きたかったかというと、最後のセリフを書きたかっただけである 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後① ゆっくりいじめ系615 チェンジリング後② ゆっくりいじめ系657 いい夢みれただろ?前編 ゆっくりいじめ系658 いい夢みれただろ?後編 ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語 ゆっくりいじめ系744 風船Ⅰ ゆっくりいじめ系848 風船Ⅱ ゆっくりいじめ系849 風船Ⅲ ゆっくりいじめ系936 カルガモとゆっくり 前編 ゆっくりいじめ系937 カルガモとゆっくり 後編 ゆっくりいじめ系938 カルガモとゆっくり おまけ ゆっくりいじめ系960 ゆっくりにドラえもんの道具を与えてみた
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目次 ゆっくり逃走中駅伝とは?? 過去に行われたゆっくり逃走中駅伝第1回ゆっくり逃走中駅伝 #ゆっくり逃走中駅伝2023第1.5回ゆっくり逃走中駅伝 #ゆっくり逃走中駅伝2023GW 第2回ゆっくり逃走中駅伝 #ゆっくり逃走中駅伝2024 第3回ゆっくり逃走中駅伝 #ゆっくり逃走中駅伝2025 詳細は後日記載します ゆっくり逃走中駅伝とは?? あさぞらが考案、主催したゆっくり逃走中の大企画。 各ゆっくり逃走中投稿者が、往路(1日目)と復路(2日目)に分かれて動画を投稿し、襷を繋いで最終走者(最終投稿者)まで連続して繋いでいくのが醍醐味となる企画。 第一回はあさぞらが運営を単独で行われた。 第二回以降はあさぞらが引退するため、また運営を円滑にするため複数運営体制がとられるようになった。 なお、あさぞらは第二回駅伝終了後に引退を撤回したため第三回以降は再び指揮を取る。 当初、ゆっくり逃走中駅伝が開催されたとき ①普段見に行かないような動画も見に行ってもらうきっかけを作ることで、新しい逃走者や投稿者の知名度を上げさせる ②投稿者同士、視聴者と投稿者同士が一丸となるもの ③プレミア公開の同時接続人数を増やすことでチャット欄を盛り上げる この3つを目的として行われた。 過去に行われたゆっくり逃走中駅伝 第1回ゆっくり逃走中駅伝 #ゆっくり逃走中駅伝2023 記念すべき第1回大会 18名の投稿者が参加予定だったが,3名が辞退。 ゆっくりライジングが緊急参戦した結果計16名の投稿者が参戦する運びとなった。 ※なお、2024年時点ではもっとも多くのゆっくり逃走中投稿者が参加したイベントとなっており、記録更新が待たれる。 ランディパンパースはこの中で唯一ゆっくり逃走中初投稿であった。 あきなすぎが3区と15区で往路と復路で1区間ずつ 瑞風ケイが11区と17区で復路2区間で出走した。 当初はゆっくりしょうちゃんが5区で出走予定だったが投稿の際に発生したアクシデントで急遽復路の10区で出走となった。 アンカーを務めたさくしゃは当時ゆっくり逃走中史上初となるプレミア公開同時接続数300突破を達成した。 第1回開催時のXの反応 往路 区間 投稿者名 参戦回数 タイトル 動画リンク 1区 虹猫けい 初 逃走中GAME TWO 幕張の新星 Part2 動画 2区 ゆっくりSPECIAL 初 逃走中06 ~ルナティックアイランド~ Part4 【ゆっくり逃走中】 動画 3区 あきなすぎ 初 ゆっくり逃走中02〜欲望渦巻くエリアAK〜 PART2 動画 4区 kakanamiちゃんねるっ! 初 東方逃走中〜少女達の空想物語〜 Part3 動画 6区 きたいや 初 すごくけんぜんできょういくてきなゆっくりとうそうちゅう 動画 7区 Yutamen 初 【ゆっくり逃走中02】 人工島に潜む黒い影 in東京・お台場 Part1 動画 8区 ゆっくり澄元 初 ゆっくり逃走中01 文化祭とハンター part.7 動画 9区 七海 初 逃走中01 ~幻想の街~ Part03 【ゆっくり逃走中】 動画 復路 区間 投稿者名 参戦回数 タイトル 動画リンク 10区 ゆっくりしょうちゃん 初 逃走中01~恐怖と愉快な幻想郷~ 最終回 動画 11区 瑞風ケイ 初 【逃走中特別短編】暗闇にひそむ悪夢のファンタジー 動画 12区 しんごくん 初 王国の逃走劇 Part01 現在非公開 13区 ランディパンパース 初 アメリカ横断シャーロック1853(ゆっくり逃走中) 動画 14区 あきなすぎ 2 ゆっくり逃走中02〜欲望渦巻くエリアAK〜 PART3 動画 15区 野良猫さん NTMT組 初 【チャンネル登録者750~810人突破記念】逃走中~ハンターと天の川の奇跡~ 第2話 動画 16区 KUKスタジオ 初 ゆっくり ✕ 逃走中 -ハンター始動- 前編 動画 17区 瑞風ケイ 2 夕焼けのハンターシティ Part03 現在非公開 18区 ゆっくりライジング 初 【ゆっくり逃走中02】駅に潜む影Part1 動画 19区 さくしゃ 初 ゆっくり逃走中08 ~アルティメット《夢の咲く島》~ PART13 動画 第1.5回ゆっくり逃走中駅伝 #ゆっくり逃走中駅伝2023GW 詳細はこちら 第2回ゆっくり逃走中駅伝 #ゆっくり逃走中駅伝2024 あさぞらが完全引退してから行われた第2回大会 運営陣も前回のあさぞら1人態勢から大きく変更となった中で参戦した投稿者は13名。 初参戦組が10名とフレッシュな顔ぶれとなった ホームページが作成されるなど新しい試みもあった 初ゆっくり逃走中投稿者は龍眼 大佐 当初、竜眼大佐は9区出走予定だったが投稿の際に発生したアクシデントで13区に変更となり自由なレインからゆっくりSPECIALまでの4人はそれぞれ1区間繰り上がりとなった。 第2回開催時のXの反応 往路 区間 投稿者名 参戦回数 タイトル 動画リンク 1区 ゆっくりKAI 初 【ゆっくり逃走中】島に現る強欲な14人 Part1~お金欲しさで強欲に行く者たち~ 動画 2区 ティス 初 ゆっくり逃走中05〜消えた子供〜part2 動画 3区 ゆき@YUKISUKE主催者 初 【ゆっくり逃走中03】絶望の公園編 動画 4区 しらのいPresents 初 ゆっくり逃走中05〜逃走成功への分かれ道〜 #8(最終回) 動画 5区 まなと 初 逃走中 ~ゲームマスターの思惑~ #4 【東方逃走中】 動画 6区 りんたろー。 初 ゆっくり逃走中02 潮騒と裏切りの波紋part5 動画 7区 もんもん 初 [ゆっくり逃走中3]〜交差する若葉色の光〜 part1 動画 復路 区間 投稿者名 参戦回数 タイトル 動画リンク 8区 新ゆっくりライジング 2 逃走中〜LASTGAME〜 動画 9区 自由なレイン 初 【ゆっくり逃走中00】〜始まりの15人〜Part2 動画 10区 Xin【ザン】【ゆっくり実況】 初 月から落ちる兎たち Part09 動画 11区 あきなすぎ 3 ゆっくり逃走中04〜真実と欺瞞の絡繰〜 PART2 動画 12区 ゆっくりSPECIAL 2 逃走中07 ~加太淡嶋の神隠し~ Part2 【ゆっくり逃走中】 動画 13区 龍眼 大佐【新人歌い手】 初 ゆっくり逃走中s01 ~ワンダフルシャインα~ 前編 動画 主催 KUKスタジオ Yutamen 補佐 もんもん ティス いのピー 瑞風ケイ 主将 瑞風ケイ 第3回ゆっくり逃走中駅伝 #ゆっくり逃走中駅伝2025 再建を掲げて行われる第3回大会 詳細は後日記載します
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「奇形ゆっくり2」 ※奇形はあまりメインじゃないです。 ここのところ晴れの日が続き、草原の雪は完全に融けきっていた。 本格的な春の訪れに心を躍らすのは、何も人間だけではない。 今までまばらだったゆっくりの数も、最近になって増え始めた。 待ち望んでいた春を味わおうと、巣から一斉に出てきたのだろう。 「ゆっくりしていってね!!」 僕の耳に入るのは、“ゆっくり”と呼ばれる饅頭生物の本能に刻まれた、定番の台詞である。 「あたたかいね!!みんなでゆっくりしようね!!」 「わかるよー!!ゆっくりするよー!!」 「せっかくだから、とくべつにゆっくりしてあげてもいいよ!!」 「私は別に強さをアッピルなどしてはいない私を強いと感じてしまっているやつは以下略」 「ダリナンダ!オデノジャバヲズルノバ!」 たまにゆっくりっぽくない声も聞こえるが、この草原には僕を除けばゆっくりしかいない。 それにしても、ゆっくりって…こんなにたくさんの種類があるんだな。 ポ○ケモン図鑑みたいに、ゆっくり図鑑とか作ってみたら面白いかもしれない。 「おにーさんもゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり(笑)」 と、出会うゆっくりはみな僕に話しかけてくるので、適当に返しておく。 そんなことをしばらく続けながら草原を歩き回り、10分ぐらい経っただろうか… 突然、周りのゆっくりがざわめき始めた。 「ゆ!!あのことはゆっくりできないよ!!ゆっくりどっかいってね!!」 「こっちにこないでね!!きたないのがうつるからこないでね!!」 「そんなきもちわるいれいむとはゆっくりできないよ!!」 よく聞いていると、どうやらゆっくりたちにとって“ゆっくりできない”ゆっくりがいるらしい。 それはれいむ種で、『きたない』とか『きもちわるい』とか、そういう言葉で罵倒されていた。 僕はそいつがどこにいるのか探してみたのだが… 「…ゆぅ!……ゆぅ!!」 こちらに向かって弾んでくる、一匹のゆっくり。おそらくこいつだ。 周りのゆっくりが離れていくので、必然的にそいつが一匹ぽつんと取り残されることになるから見つけやす かった。 …見たところ、そいつは普通のゆっくりれいむである。 大きさからすると成体でリボンもちゃんとついているから、そういった点では至って普通だった。 ただ、他のゆっくりから攻撃を受けたのか、破れた皮が塞がった後が多数残っている。 しかし、普通ではない点は…他にあったのである。 「ゆ!いまだしてあげるからまっててね!」 ぺっ、とれいむが吐き出したのは、2匹の子ゆっくり。子れいむと子まりさだった。 子ゆっくりと言えば、『ゆっくりちていってね!』などと声を上げながら跳ね回るのが普通なのだが、この 二匹の子ゆっくりは…口から吐き出された衝撃でぼよんぼよん震えたと思ったら、それ以上何の動きも示さ なかった。 「ゆ!ゆ!ゆっくりうごいてね!!ゆっくりはねてね!!」 母れいむが心配そうな顔をして、後ろからぐいぐいと子ゆっくりを押している。 それでも、子ゆっくりたちはコロコロ転がるだけで…自力で跳ねようとはしなかった。 「ゆぎゅ!!やっぱりだめだよ!うごけないよ!」 「うううぅぅぅぅ…!どうして!?どうしてまりさはうごけないの!? みんなといっしょにゆっくりしたいよ!!!」 そう、こいつらは自力ではまったく動くことができないのだ。 どうやら…この2匹の子ゆっくりは、“奇形ゆっくり”らしい。 人間でも同じことが起こる様に、ゆっくりの場合も妊娠中に有害な物質を多量に摂取することで、奇形児が 生まれる確率が上がるらしい。 そんな話を、加工所の図書室で読んだことがある。 「ゆゆゆ…!!どうして!!どうしてうごかないのおおおおお!?」 母れいむもどうしていいのか分からず、喚き散らすだけだ。 この後何が起こるのか気になって、木の陰に隠れて様子を見ることにする。 「ゆゅゅ……………!!」 母れいむは、視線を下に向けて何か考えているらしい。 餡子脳で何を考えられるというのだろうか? そして、パッとひらめいた様な顔をすると… 「ゆぎゅう!!!こんなのれいむのこどもじゃないよ!!ゆっくりしね!!」 不安は消し飛び、いつものゆっくりらしい笑顔で2匹の子供を押しつぶし始めた。 「ゆぎゃあああああああああ!!おがーぢゃんやめでよおおおおおおおお!!!」 「まりざをごろざないでえええええええ!!ゆっぐりざぜでええええええ!!!」 なんて酷い親だ。こいつ…自分の子供を殺そうとしてるぞ…! 「こんなぶきみなこどもとはゆっくりできないよ!!ゆっくりあのよにいってね!!」 「れいむもゆっぐりずるがらああああああ!!おがーじゃんといっじょにゆっぐりいいいいぃぃぃ!!!」 「いっじょにゆっぐりじようよおおおおおおおおお!!??」 母れいむは自分の子供を下敷きにしたまま、何度も何度も跳ね続けた。 落下してくる母れいむに踏み潰され、何度も何度も口から餡子を吐き出す子ゆっくりたち。 逃げたくても、生まれつき動けないためどんなに頑張っても逃げることは出来ない。 自力で出来ることなど何一つない子ゆっくり達にとって、母がすべてなのだというのに… 生れ落ちたとき、動けずに泣き喚いている自分を励ましてくれた母ゆっくり。 自分では何も出来ないから、取ってきた餌を口移しで食べさせてくれる母ゆっくり。 そんな。そんな母ゆっくりによって。殺されようとしている。 今、唯一のよりどころであった母親によって、殺されようとしているのだ。 「いだいよおおおおおお!!ゆっぐりじだいよおおおおおおおおー!!!」 「もうやめでえええええ!!じにだぐないよおおおおおおおお!!!?ぶぎゅえ!!??」 皮の裂け目からも、餡子が漏れ出した。 どすんどすん、テンポよく餡子を吹き出す子ゆっくり2匹。 そして…2匹の悲鳴が聞こえなくなると、母れいむは跳びはねるのを止めた。 「これでやっとみんなとゆっくりできるよ!!」 迫害の原因となっていた子供を殺すことによって、自分だけでもゆっくりしようってか。 ゆっくりのこととはいえ、なんだか腹が立ってきたぞ。 「みんなー!!いっしょにゆっくりしようね!!」 「ちょっと待った!」 去っていった他のゆっくりのところへ行こうとする“元”母れいむ。 僕が目の前に立ちはだかると、先ほどの陰気くさい顔はどこへやら。 満面の笑みで、例の台詞。 「おにーさんも、ゆっくりしていってね!!」 「はいはいっと。それよりもれいむ、あれはなんだい?」 そう言って、僕は子ゆっくりだったモノを指差す。 途端、不機嫌そうな顔に早変わり。不満を口にし始めた。 「しらないよ!!あんなかわいくないばっちぃのしらないよ!!」 「でも見てたんだよね、お兄さん。君が自分の子供を潰してたの」 「ゆ!?だってばっちぃあかちゃんがいるとゆっくりできないんだもん!! でも、あかちゃんがしねばれいむはゆっくりできるよ!!おにーさんもゆっくりしていってね!!」 などとへらへら笑いながら言うものだから、僕の怒りが有頂天になった。 「へぇ~そうかそうか。自分がゆっくりするために、赤ちゃんを殺しちゃうんだぁ」 「そうだよ!!あのこたちのせいで、いままでぜんぜんゆっくりできなかったよ!!」 ぷんぷん、と怒ってみせるれいむ。 僕はハンドボール大のそいつを掴みあげると、皮が破れない程度に強く締め付け始めた。 「ゆぎゃあああああああああああああ!!!はなぢでええええええええええええええ!!」 顔がひょうたんみたいに歪んでいる。 ちょっと和んだが、まだまだ僕の怒りはおさまることを知らない。 少しばかり締め付けを緩めてやると… 「ゆ゛っ!おにーさんとはゆっくりできないよ!!れいむをゆっくりはなしてね゛っぎゅあああああ!?」 「え?なんか言った?」 聞こえないフリをして、再び締め上げる。 「や゛っめ゛っ…!!…ゆっぐりでぎなび…ゆッぐりざぜでよおおおおおおおおお!!!!」 「そういった赤ちゃんに、お前はなんて答えたの?」 「ゆ゛っ!!??」 信じられないほど小さい記憶容量を誇る餡子脳。 それでも、数分前の出来事…数分前の自分の発言ぐらいは、覚えているはずである。 「ねぇ?なんて答えたの?『ゆっくりさせて!』って叫ぶ赤ちゃんに、お前はなんて言ったの?」 「ゆぐっ!!!」 一瞬強く締め付けると、れいむは痛みに声を漏らした。 瀕死の赤ちゃんに、嬉々としてぶつけた言葉。忘れるわけがないよな? 嬉しかったんだよなぁ?忌々しい奇形ゆっくりとさよならできたことが。 だったら忘れるわけないよな。ゆっくりの餡子脳は、楽しいことはしっかり覚えてるんだから。 「ねぇ?『しにたくない!』って叫んでた赤ちゃんに、お前はなんて言ったっけ?」 「ゆ…“ゆっくりしね”…?」 「うんうん!!他には!?」 と言いながら、締め上げる力を強くしていく。 “言わなければ死ぬ”という脅迫めいたものを感じたれいむは、素直に記憶をたどる。 「早く教えてよー!『いっしょにゆっくりしよう!』って言った赤ちゃんに、お前さまは何とおっしゃった のですか?」 「ゆ…“ゆっくりあのよにいってね”…うわあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「そうでーす!正解でーす!だからそっくりそのままお返ししまーす!!」 徐々に締め上げる力を加えていく。 まだ、皮が破れて餡子が漏れるには至らない。 「やめでえええええ゛え゛え゛え゛!!じにだくないよおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 「えー!?こんな不気味なゆっくりとはゆっくり出来ないよ!!ゆっくりしね!!」 「ぶぎみじゃないいいいいいい!!!れいむはがわいいのおおおおおおおおおおおお゛お゛お゛!!!」 命の危険が迫ってるのに、まずそこを否定するのか。餡子脳の神秘を垣間見たよ。 「こんなの可愛いゆっくりじゃないよ!!ゆっくりあの世に逝ってね!!」 「いやだああああああ゛あ゛あ゛!!!だじげでえええええ゛え゛え゛え゛!!!」 「え?死にたくないの?しょうがないなあ。じゃあ、何でも言うこと聞くなら助けてあげる」 「ぎぐ!!ぎぎまず!!だがらだずげで!!ごろざないでえええ゛え゛え゛え゛!!」 「ほいっと!!」 締め付ける力を一気に緩めると、れいむはぶるんと震えてそのまま地面に落ちた。 涙を流しながら僕のほうを見て頭(体)を下げて謝っている。 「ごめ゛んなざい!!もういいま゛ぜんがらゆずじでぐだじゃい゛!!」 「はいはい、許す許す(笑)…ただしさっきも言ったとおり、言うことを聞いたら、だけど」 恐る恐る、僕の表情を窺うれいむ。 僕がれいむに要求したのは… 「そのリボンかわいいね。僕がそれを貰うよ」 その瞬間、れいむは最高に笑える表情をしてくれた。 (終) ゆっくりいじめ系206 奇形ゆっくり3~ゆっくりバッジ~? あとがき 『奇形ゆっくり』の続きってことにしてくれてもいいし、別物ってことでもいいです。 最初奇形ゆっくりに対する迫害を書こうとしてたら、いつの間にかIKEMENのお兄さんが言葉攻めしてた!! 不思議だね!! 前作より短くまとまったね!!よかったね!! 最後に、いつの日か聞かれそうな質問に前もって答えておきます。 Q.どうしてゆっくりっぽい変な口調で言葉攻めをするのですか? A.趣味。 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
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『真冬のゆっくり対策 3』 「へえ…そんなものがあるんですか」 「外の世界から流れてきたものです。透明なビニールの中で野菜を栽培するようです」 「でもビニールハウスだと風通しが悪くなるのでは?温度とか湿気とか」 「そこなんですよ。ですから我々は屋根を取っ払って実際に育ててみました。大丈夫なようです。外の世界ではどう使ってるのかは不明ですが」 「いくつかの畑に使ってみましょう。他に何かありませんか」 「そうですね、商品ではなくアイデアなのですが畑の周りに毒草を生やしておくというのはどうでしょうか?」 「春の毒草といえばトリカブトやスイセンとか有名ですね。ドクウツギなんて昔は農村でよく被害が出たものです。今から生えてきますかね?」 「そこなんですよねえ…あとは青唐辛子を用意して仕込んでおくとか」 「周りの村から苗木を調達するとか検討してみましょう」 「さて私も何か少し手伝わせてくれませんか?」 「ありがとうございます。今から壁を作るのですがお手伝いお願いできますか?」 「任せてください」 「「「「「「むーしゃむーしゃ…しあわせぇ♪」」」」」」 洞窟の中は宴会だった。冬篭りというゆっくりにとって厳しい時期にドスが来てくれたのだから。 数分前 「ドスとみんなの約束だよ。ゆっくり理解してね!」 ドスまりさの帽子を被った女性が言った。 「おきてなんだね。わかるよー!!」 「「「「「「ゆっくりりかいするよ!!!」」」」」」 「1つ、無闇にすっきりしないこと」 「ゆ!どす、まりさたちはすっきりしてもだいじょうぶなんだぜ!」 「まりさ!さっき食糧を見せてもらったけどこの数じゃもうギリギリよ。それともまりさが食糧になってくれるの?」 「ご…ごめんなさい!!!!まりさがわるかったですううう!!!!」 「はるになったらすっきりしほうだいよ!それまでがまんしようね」 「1つ、………」 「1つ、…」 「みんな分かった?」 「「「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」」」」」 「約束を破ったら死刑かこの群から出て行ってもらうわ。わかったわね?」 「「「「「「「はーい!!!!」」」」」」」 「じゃあみんなご飯にしようね!」 「「「「「「「やったね!えんかいだね!!!!」」」」」」」 こうしてゆっくり達の宴会が始まったのだ。 「ご飯だよ」 れいむのリボンを付けた虐待お兄ちゃんは親ゆっくりに食事を与えた。 「おきゃあしゃん!いっちょにたべよ!」 「赤ちゃんはドスから貰ってね。これは赤ちゃんには美味しくないんだ」 「ゆっふっふ、これはおとなのあじなんだよ。あかちゃんにはまだはやいよ。ごめんね」 「ゆっくちりかいちたよ!あとでゆっくちちようね!」 「赤ちゃんはこれを食べようね」 彼女は赤ゆっくり達に親ゆっくりとは別の食事を出していた。 「「「「むーちゃむーちゃ…ちあわせぇ♪」」」」 「「「「ちちちちちあわせええええ♪」」」」 赤ゆっくり達が完食した直後異変が起こった。 「ゆ!にゃんだきゃむずむずしてきちゃよ!」 「ゆ?にゃんだかぽかぽかしてきちゃよ!!」 「ありちゅもー」 「りぇいみゅもー」 「ゆゆゆゆゆ?あちゅくなっちぇきちゃよ」 「にゃんだきゃへんだよ!」 赤ゆっくりは頬を赤らめ体からぬとぬととした粘液を出していた。発情したのだ。 「ま…ま…まりしゃああ~しゅ~りしゅ~りぃ」 「しゅ~りしゅ~り…な…なんだかへんだよ。しゅ~りしゅ~り」 「しゅりしゅりしてたらきもちよくなってきちゃよぉ」 「な…なにしてるの!あかちゃん!すりすりしたらしんじゃよおお!!!!」 親ゆっくり達が気付いた時は遅かった。 「ゆっぎりやめぢぇええ!!まりしゃじんじゃうよおおお!!!!」 「にゃんだぎゃへんだよおおおお!!!!」 「まりじゃああああ!!!!!ちょっちぇもきもちいいわああああ!!!!!!」 「ぎぼぢわるいよおおお!!!!やべじぇえええ!!!!」 「ありじゅうう!!!!やべでよおおお!!!!」 「わぎゃらないよおおお!!!!!!らんじゃまああああ!!!!!!」 「やべでええええええ!!!!あがじゃんじんじゃうよおおおお!!!!!!」 「どぼじでええええ!!!!!!!」 「貴方達!!!なにしてるの!!!!早くとめなさい!!!」 何とか半分ほどは親ゆっくりが赤ゆっくりを咥えて離すことができた。それでもかなりの赤ゆっくりはまだ交尾をしたままだ。 「「ゆぎゅっ!ゆぎぃ!やめちぇ!やべじぇええええ!!!ゆげぁぁぁ!!!!」」 「「「「「んほおおおおぉぉおおおおぉおおお!!!!!」」」」」 「「「「だ…だめだよおおお!!!!それいじょうはああああぁぁ!!!」」」」 「「「「「「しゅっきりぃー!!!!」」」」」」 「「「「「「じゅっぎりぃ……」」」」」」 発情した半分の赤ゆっくりは頭から茎を生やしみるみるうちに真っ黒な塊へと化していった。 「でいぶのあがじゃんがあああああ!!!!」 「ばりざああああ!!!!!どぼじでうぢのばりざがああああ!!!!!」 黒い塊と化した赤ん坊に必死に呼びかけるが何も答えてくれない。 「何てことをしてくれたのよ!!!!!」 彼女は未だに発情している赤ゆっくりを集めた。 「この子たちの親は誰?前に出てきなさい!!!」 「ゆうううう…」 「他のゆっくりはれいむに従ってね。今からこの子達の裁判をするわ」 「じゃあみんな、こっちにおいで。後はドスに任せよう」 彼は残りのゆっくりを連れその場から離れた。レイプをした赤ゆっくりとその親を一列に並ばせて彼女は言った。 「まったく、貴方達は子供にどういう教育をしているの?」 「ご…ごべんなざいい…」 「なんであがじゃんがすりすりなんてじってるのお…おじえでないよぉ…」 「おきゃあしゃん、しゅりしゅりぃ」 事態を分かっていない赤ゆっくりは側にいる親にすりすりしている。 「どす!おねがいじまず!!ゆるじでくだざい!!!ぢゃんどおじおきじますがらああ!!!」 「ごべんなざい!ごべんなざいい!!!」 「そこのれいむ!」 「ゆ!!」 「私との約束を忘れてはないよね?」 「ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!」 「言って御覧なさい」 「むやみにすっきりー!したらだめ…だよ…」 「そうね。さっき言ったもんね」 「あかちゃんたちを…どうするんだぜぇ…」 「そこのぱちゅりぃ!!!!」 「むきゅ!!」 「掟を守れない場合はどうなるんだっけ?」 「しけいかこのむれから…でていく…」 「そうね。死刑か追放よ」 「「ぞ…ぞんなあああ!!!!!」」 「「おでがいじまずううう!!!!!ゆるじでぐだざいいい!!!!」」 「「おでがいじまずう!!!!ありずはいながものでいいでずがらごのごだけはゆるじでええ!!」」 「「まだごのごは……おでがいじまずうううう!!!ゆっぐりざぜであげでぐだざいいいい!!!!」」 「黙りなさい!!」 「「「「「ゆぴいいいい!!!!」」」」」 「ドスとの約束を初日から破っちゃうの?そんな悪いゆっくりは潰すよ!!!」 「ゆぅ…ぐずっ…」 「ぁかちゃ…ん…なんでぇ…」 「今すぐこの子達を殺すかもしくはこの子を連れてここから出て行くか決めなさい!!」 「ぞんなのえらべないよおお!!!」 「ゆええ"ぇえ"えん!!!!」 「仕方ないわね…」 「ゆ!どす…もしかして…」 「死刑だけは許してあげるわ」 「「あじがどうございまずうう!!!!!」」 「「よがっだねえ…あがじゃん!!!!!ごれでゆっぐりでぎるよお!!!!」」 「ハア?」 彼女は壁を強く蹴った。 「「「ゆううう!!!!!」」」 「誰が許すなんて言ったのかしら?」 「じゃ…じゃあどうずるの…」 「これを口に咥えなさい」 彼女は木の枝を数本親ゆっくりの前に投げた。 「それで赤ちゃんの目をくり抜きなさい」 「ゆ!!!!」 「どす…いまなんていったの…」 「聞こえなかった?その枝で!!!赤ちゃんの目を潰しなさい!!!!」 一瞬場が静まった。 「そ…ぞんあああ!!!!!」 「いやだああああ!!!!!!あがじゃんがゆっぐりでぎないよおおお!!!!」 「ぞんなのどがいはじゃないわあああ!!!!!!」 「ゆえ"えぇえぇえん!!!!!!そんなのいやだよおおお!!!!」 「どっぢもいやだよおおお!!!!」 「この子達にレイプされて死んでいった赤ちゃんたちはどんな思いだったのかな?死んじゃった赤ちゃんのお母さんは今どんな気持ちなのかな?」 「ぞ…それは…」 「ゆぅ…ぐずん…だげどぉ…」 「早く決めなさい!早く決めないと貴方達全員潰すからね!!」 「ゆう"う"う"う…」 「あがじゃん…どうじよぅ…」 「時間よ。れいむから聞くわ。どうするの?」 「ゆううう…どぅじよぅ…」 「おきゃあしゃんとしゅりしゅりい~」 泣きながら悩むれいむと対照的に赤れいむは嬉しそうに頬擦りをする。 「殺すの?ここから出て行くの?それとも目を潰す?」 「ゆうううう…ぐ…ずっ…あがじゃあん…ごべんねえ…」 「ゆ?」 れいむは赤れいむに思いっきり圧し掛かった。 「ゆびぇえええ!!!!おがあじゃんにゃんでえええ!!!!」 「ごべんねえ!!!ごべんねええ!!!!おぞらでゆっぐりじでねええ!!!!!」 「ぎゅえええええ!!!!……もっちょ…ゆっきゅりちたきゃったよ……」 赤れいむは死んでしまった。 「ゆあ"あ"あ"あん!!!!ばがなおがあざんでごべんねええ!!!!ごべんねええ!!!」 「「ゆひいぃぃぃ…」」 「「どうじだらいいのぉ…」」 事態を飲み込めていなかった赤ゆっくり達もようやく自分達が置かれている状況を理解した。 「お…おきゃあしゃん…まりしゃ…いいこだ…よ…だきゃら…」 「うるさいよ!!」 「ゆぎゃあああ!!!!」 「れいぷするゆっくりはわるいゆっくりだよ!!!!ゆっくりしないでしね!!」 「ゆびぇええええ!!!!!!まりじゃじにだぐないよおおお!!!!」 吹っ切れて赤ん坊を潰す親ゆっくり。 「みゃみゃぁ…ありちゅ…ちにたくにゃいよお…」 「ごめんなしゃぃ…ごめんなしゃぃ…」 「ごべんねえええ!!!!!!ごべんねええ!!!!」 「あがじゃんのぶんまでゆっくりずるがらああ!!!!!ままをゆるじでええええ!!!!!」 「いじゃいよおおお!!!!!やびぇでえええ!!!!!!」 「ぢにだくにゃいよおおおお!!!!たじゅげでえええ!!!!!」 泣きながら我が子を潰す親ゆっくり。 「おぢびじゃああん…ごべんねえ…すぐずまずがらがばんじでねえ…」 「ゆぴゃああ!!!!」 「いじゃいよおおおお!!!!!」 「りぇいみゅのおべべが!!!!おべべぎゃあああ!!!!」 「ぐらいよおおお!!!!!!なにもみえないよおおおお!!!!」 「ごべんねええ!!!!!」 「おぎゃあじゃんが…ゆっぐりざぜてあげるがらあ…ごべんねええ!!!!」 泣きながら目を潰していく親ゆっくり。赤ゆっくりとともにここから出て行くゆっくりはいなかった。 「そう。それでいいのよ。辛いけど掟を守らないとみんなゆっくりできないのよ。貴方達は反省してゆっくりしなさい」 「わがっだよお…」 「なにもみえにゃいよお…おぎゃあじゃん…どごにいるのお…」 「ぐらいよお…まりしゃあ…ありちゅううう…ちぇえええん…どごにいるのお…」 「あがじゃあん…ゆっくりじでねえ…」 親ゆっくり達は潰れた赤ゆっくりを食べていた。これがゆっくりの中での供養だという。目を潰された赤ゆっくりは親ゆっくりとともに巣へ帰っていった。 一方彼女は先ほどの虐待お兄ちゃんとの会話を思い出していた。 『俺が持ってきているモノだとこれですかね』 『それは?』 『これは精子餡ですよ。通常の何百倍も濃縮してます。こっちは妊娠促進剤と媚薬です』 『ええ』 『精子餡をゆっくりに注入したり肌にすり込むと妊娠しますよね。この濃縮した精子餡と妊娠促進剤と媚薬を混ぜるととんでもない薬ができるんですよ』 『霧吹きを取り出してどうするんですか?』 『精子餡と促進剤と媚薬を混ぜたものをお湯で溶かして…よっと、よく振って……これで完成です』 『これをゆっくりに噴きかけるんですね』 『ええ。噴きかけるだけでゆっくりは妊娠するんですよ。大抵は植物型ですね』 『それは確かにとんでもない薬ですね。発想は私と同じですよ』 『貴方は?』 『私も媚薬を持ってきてます。かなりのやつを。あとは睡眠薬ですね。火攻めする気だったんで用意はこれくらいなんです』 『妊娠で体力を奪わせて黒い塊にするか食糧を一気に減らす作戦…ですね』 『媚薬の方は私がやるわ。そうね、赤ゆっくりを発情させましょう』 『じゃあ霧吹きは俺がやります。あ、睡眠薬くれませんかね』 (彼はうまくやってるかしら…) 「ゆふう…ゆふう…」 「ゆゆ~ん…ゆゆうう…」 「ゆぴーゆぴー」 ゆっくり達は眠っていた。満腹して眠くなったのではなく虐待お兄ちゃんが盛った睡眠薬で眠っているのだ。 「もう!たべたらすぐねるなんてとかいはじゃないわ!!」 「あかちゃんがたいへんなことになってるときにねないでよぉ」 「あがじゃんがあ…ゆええぇえん…」 全てのゆっくりに盛ったはずなのだが先ほどの騒ぎで眠気が吹っ飛んでしまったようだ。といっても半分は寝ている。 「いいよ。寝かせてあげな。さっきの事はドスに任せなさい。この子達もショックだったんだ。落ち着かせてあげよう。君達もゆっくりしなさい」 「うん…じゃあれいむにまかせるわね」 起きているゆっくりは巣の中に帰っていった。彼の周りは眠っているゆっくりだけになった。 「(じゃあ始めますか)」 彼は霧吹きを眠っているゆっくり達に噴きかけた。さらに辺り一面にも霧吹きを噴きかけた。 「(これくらいかな。あとは少し待てばいい)」 彼は一旦彼女がいる所へ向かった。この後戻ってきた時に偶然ゆっくりが妊娠しているのを見つけたふりをして皆を集めるつもりだ。 つづく by 虐待おにいちゃん
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虐待というより駆除? 「まりさ!ゆっくりがんばってね!!!」 「ゆっ!」 新婚のゆっくりれいむは、頬擦りをして番のゆっくりまりさを巣から送り出す。れいむの頭には蔓が伸びている。そこから5匹の木の実のようなものが伸びている。このまま順調に行けば、明日には出産だ。 妊娠中のれいむのためにも、赤ちゃんのためにも、いつもより多く餌を取らなければならない。まりさは張り切っていた。 虫や比較的美味しい草などを帽子に詰め、まりさは行進する。すると見慣れないものを見かけた。普段のルートから少しはずれた結果、美味しいものにありつけたのだ。 「ゆっ…これはりんごさんのきだよ!りんごさんはゆっくりできるくだものだよ!」 まりさはそういいながら、林檎の木の周りをうろつく。 まりさに違わず、ゆっくりは林檎が大好きな傾向にある。野生の林檎の木は人間からすればかなり不味いが、ゆっくりからすれば貴重な甘味なのだ。 林檎は残念だが2つしか落ちていなかった。しかし木には、いくつかの林檎がなっている。今日の分はこれで確保できそうだ。まりさはひとまず、落ちていた2つの林檎を帽子にいれた。 「れいむはよろこぶよ!…りんごのきさん、りんごをゆっくりおとしてね!」 まりさは跳ねながら頼むが、無論落ちてくるわけがない。無知なゆっくりでもそれくらいは知っている。 「ゆ…そうだ!」 まりさはあることを思いついた。 遠くにいるドスまりさという個体は、木に体当たりをすることでそこから木の実を落としていたというではないか。自分の体は小さいが、何度も繰り返せば落とせるかもしれない。 まりさは名案とばかりに木に体当たりを始めた。しかし饅頭の体では、体当たり一回が体に大きなダメージとしてのしかかる。 「ゆびっ…ゆびゃっ…まりさはがんばるよ…れいむのためだよ…!」 そのまりさのひたむきな思いが通じたのか、ドサッという音を立て、赤くなりかけたりんごが1つ落ちてきた。まりさはすかさずそれを舌で掬い取り、帽子の中に入れる。 「あと2つ…がんばるよ!まっててねれいむ!」 再び体当たりを始めるまりさ。そのひたむきさには、普通の人間ですら心打たれるものがある。このゆっくりは、自分ではなく伴侶のためにがんばっているのだ。 「ゆべっ…ゆべっ…」 虐待お兄さんでもない限り、この姿を見れば感動することだろう。ゆっくりんピースが見れば、これを撮影してドキュメンタリーでも作りそうな勢いである。 「ゆひぃ…!」 餡子を吐きそうになるが、それでも体当たりを続ける。そして、再びまりさの近くで何かが落ちたようなドサッという音が聞こえてきた。 「ゆっ!りんごさん!」 その音が聞こえた方向へぴょんぴょんと跳ねていくまりさ。しかしそこにあったものは、 「ブゥゥゥゥゥゥゥン…!」 「ゆぅ!?」 スズメバチの巣であった。実はこの林檎の木には、スズメバチが巣を作っていたのである。 「は、はちさんだよ!」 スズメバチはまりさを見るなり、猛烈な速度で襲い掛かってきた。巣の中のスズメバチが一斉攻撃する形である。これをされると、人間はもちろん妖怪ですら死にかねないのだ。 「ゆぎゃあああああああああ!!!いだいいいいいいいい!!!ごめんなざいいいいい!!!おぎゃあじゃあああああああんん!!れいぶうううううう!!!」 まりさはいそいで巣に帰る。巣に戻って急いで蓋をすれば、蜂は入ってこない。そう考えた。 痛みにのた打ち回りながらも、まりさは気力を振り絞ってなんとか巣にもどる。 「れいぶううう!!!ゆっぐりどびらをじめでねぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆっ?おかえりまりさ!」 まりさは泣き叫びながられいむに懇願するが、ゆっくりの餡子脳の処理速度や、番が妊娠中であることから、その願いは通じることはなかった。 巣の中に、五十匹近くのスズメバチが入り、新たな獲物のれいむと、その頭から伸びたツルの先にいる赤ん坊を指し始める。 「ゆぴっ」 「ゆぴゃ」 赤ゆっくりは刺された瞬間、白目をむいて絶命した。 「れ、れいぶのごおおおおお!!!あがっ!!!じゃんがっ!!!まりざああああなんでごんなのづれでぎだのおおおおお!!!!」 「ごべんなざいいいいい!!!」 れいむとまりさも、蜂の襲撃にのた打ち回る。まりさは善良な個体であったが、れいむは…まぁ下衆の家庭だったのだろう。恨み言を叫んでまりさを罵倒していた。 最初の1個でやめておけば、このひたむきなまりさは蜂に襲われずに済んだのであろうに。 ちなみにその林檎は、蜂の襲撃後、傷だらけになってしまったれいむにすべて食べさせた。 まりさは痛む体を引きずり、なんとか餌も探した。自身も命が危ないほど傷だらけだったにも関わらず、まりさはれいむを看病したのである。ゆっくりんピースが見れば本当にドキュメンタリーを作りかねない。 しかしそんな罪滅ぼしが、自分勝手な下衆れいむに通じるはずもない。完全回復したれいむは、これまでの恨みとばかりに伴侶だったまりさを体当たりでつぶし、新たな伴侶を求めて旅立っていった。 もちろん、蜂のせいで顔がボコボコになったれいむなど、誰も相手にしない。自分を最も愛してくれるゆっくりをその手で殺したれいむは、その落とし前を自分でつける羽目になったのだった。よかったね、れいむ。 おまけ 「ゆっへっへ…このまりささまがりんごをたべてあげるんだぜ!かんしゃするんだぜ!」 1匹の尊大な態度のまりさが、蜂の巣の落ちていた林檎の木に体当たりをする。この手の態度を取るまりさは、100%下衆である。 林檎はあっさりと落ちてきた。下衆まりさの頭上に、ずっしりとした重みを伴って。 「ゆびべっ」 下衆まりさの頭に林檎が直撃する。普通のゆっくりなら即死だったが、まりさ種は帽子のおかげで、頭上からの敵に多少強い。下衆まりさは体当たりによる喧嘩やいじめを繰り返してきていたため、頭の皮が多少固くなっていた。 しかし、当たり所が悪かった。 「…ゆ?…め、めが!!!まりさのぷりちぃなおめめがみえないんだぜぇぇぇぇぇ!!?」 目の真上に落ちてきた林檎は、柔らかい皮を突き破り、まりさの目を器用に抉り出した。まぁようはビーダマンからビー玉が発射されるような感じで、目が発射されたのだ。 そして運の悪いことに、その目の先には、 「ゆぴょ」 ある家族が外に遊びに出していた、不幸な赤ちゃんまりさがいた。凄まじい速度で襲い掛かった謎の外敵になす術もなく、赤まりさは潰れてその命を全うした。 「ゆ?どうしたのあか…れいぶのあがじゃんがああああああ!!!」 「おねえじゃああああああんん!!!」 近くにいた家族が大騒ぎし始める。その赤まりさの母親であったれいむは、すぐに危害を加えた者を発見した。 「…あのまりざだああああ!!!ごのげすまりざめぇぇぇぇぇ!!!」 「おねえじゃんをがえぜぇぇぇぇぇえ!!!」 「ゆっぐりじねぇえぇぇ!!!」 「ゆびっ、ゆびゃっ…ま、まりざがなにをじだっでいうんだぜぇぇぇぇ!?」 「とぼけるなあぁぁぁぁぁ!!!よぐも、よぐもれいぶのあがじゃんをおおおおおお!!」 「ゆびゃあぁ!」 そして、その赤まりさの家族に袋叩きにあって死亡した。 「もっど…ゆっぐりじだがっだよ…」 下衆まりさが死んだことを確認し、母れいむは子供を止めて一息つく。するとれいむの目の前に、ゆっくりできるもの…林檎が落ちているのが目に入った。 「ゆ、りんごさんだ!あかちゃん、これはりんごさんっていってとってもゆっくりできるたべものだよ!おかあさんがたべさせてあげるから、ゆっくりくちをひらいてね!」 先ほど死んだ自分の愛しの我が子と、そして下衆まりさのことなど既に餡子脳の中にはない。この切り替えの早さと異常なまでの繁殖力が、ゆっくりを増やした原因ではないかと言われている。 「ゆーん!かわいいれいむからたべしゃせちぇにぇ!!」 「ゆっ!?ま、まりさのほうがかわいいよ!!」 「よくばるこにはあげないよ!」 「ま、まりさはやっぱりかわいくないよ!!」 そんなやり取りをしながら、母れいむは林檎を噛み砕こうとする。しかし… 「ゆぎぇ!?」 その林檎は予想外に堅かった。奥歯がベキン、という音を立てて折れてしまう。林檎というのは存外堅い。満足に熟していない林檎なら尚更だ。 「れ、れいぶのまいるどなはがあああああ!!!」 マイルドな歯、って何なんだろう。ともあれ母れいむはあまりの堅さに、奥歯を折ってしまった。その堅さを見越して前歯を使わなかったのが不幸中の幸いといったところか。 「お、おかーちゃぁーん!!」 赤れいむたちは、涙を流して痛がる母を心配して跳ね寄る。しかし1匹だけいた赤まりさは違った。 「おかーしゃんがひとりじめしようとしゅりゅかりゃじゃよ!!」 そう言って堅い林檎の方へと駆け寄っていく。さすがまりさ。なんという自分勝手短絡思考。おそらくこいつの片親は下衆まりさに違いない。 「まりしゃがたべりゅよ!」 「だべぇぇぇぇぇ!!!まりざあああああ!!!たべだらゆっぐりでぎなぐなっじゃうよおおおおお!!!」 「ひがんでるんだね!おおぶざまぶざま」 赤まりさはそう言いながら堅い林檎にかぶりつき、そして 「はひはほはははひひはははは!!!(まりざのぢゃあみぃなはがああああ!!!)」 歯をべきべきと折ってしまった。発達した母の歯で折れるのだから、子供の歯では折れて当然だ。 そしてゆっくりは、歯を咀嚼にしか使わない。肉食動物のように何度も生え変わることはないのである。しかも人間とも違い、生えた歯は既に永久歯なのである。その歯は飴細工のようなもので出来ており、お世辞にも堅いとはいえない。 「だがらいっだでじょおおおおお!!!」 「ほへははっはほはははふはひゅっひゅひひへへへ!!!(どめながっだおがあざんはゆっぐりじねえええ!!!)」 止めたにも関わらず、母に責任転嫁をして体当たりを始める下衆赤まりさ。…こりゃまともな親になれないな。 残された赤れいむたちはその様子を、震えながら見守ることしかできなかった。 ちなみにその赤まりさは二度と食べ物を「むーしゃむーしゃ」できないし、そもそも言葉を上手く発音できない。 母れいむが何とか成体になるまで育てたものの、自分で狩りすら出来ない成体と番になろうとするゆっくりなど誰もいなかった。めでたしめでたし。 おまけ2 数日後。残った1つの林檎の下で遊んでいた子れいむと子まりさがいた。このれいむとまりさは友人同士だった。そのまま成長すればやがて番となり、鬱陶しい子供を大量に増産することだろう。 唯一の利点とすれば、このまりさは育ちがよい、つまり下衆まりさではなかったということだろうが。 「ゆっくりおいかけきてね!」 「まりさ、ゆっくりまってね!」 まりさとれいむはぴょんぴょんと跳ねながら追いかけっこをしている。そのれいむの頭上に、 「まりじゃっ」 林檎が落ちてきた。 「…れいむ?かくれてないででてきてね…ゆっ!?」 林檎の下にあるのは、大好きだったれいむのりぼん。そしてその下に、餡子と皮が広がっている。 「ゆうううううううう!? 「どうぞくごろしだー!!!このまりさはどうぞくごろしだよー!!!」 しかもその様を、別のまりさに見られてしまった。まりさはすぐさま仲間に報告する。仲間は怒り心頭で、罪のないまりさに襲い掛かった。 「どうぞくごろしをするようなやつはゆっくりできないからしね!」 「ゆびっ!?ゆびゃっ…もっど…ゆっぐりじだがっだよぉ…」 「おおぶざまぶざま」 報告したまりさがニヤニヤとほくそえんでいる様を見ながら、まりさは死んでいった。 報告まりさは、善良なまりさが大嫌いだった。優等生面をいつか捻り潰してやりたかった。 報告まりさは「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!!」と言って、そのまま巣に戻ろうとしたが… 「ゆっへっへ、あのまりさにてんばつがくぢゃっ」 ちょうど落ちてきた毬栗に当たって、その目を潰してしまったとさ。ざまぁ。 「ざまぁじゃないよおおおおおおお!!!」 まぁ目が潰れたゆっくりの末路など、知れたものですがね。 ゆっくりはよく体当たりをしかけるが、人間が痛くも痒くもない体当たりで何をするのだろうか。そう思って考えてみた結果、木の実を落とす際に使うのではないかと思った。そこから構想を練った。構想3分。 …しかし本当にこれ以外に何に使うんだろうね。 あと飴細工の歯(人によっては歯のない設定の人もいる)で木の実って…ホント贅沢だよな。死ねばいいのに。 このSSに感想を付ける
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仕事から帰ると蔵にゆっくりがいた。 相変わらず人間の食料を漁っているらしい。 馬鹿め、その蔵はもう使われて無いのさ! 「おい!ここは誰の家だと思ってるんだ!?」 「現れたね!おにいさん!この先にはわが同胞たちと YKRが待ち構えている さぁ、こいっ!」 「ようやく捉えたぞ 我らはゆっくりの体現者達… わたしはザ・まりさ! おにいさんにこの世で 最高のゆっくりをやろう いくぞっ!」 「わかるよ! わたしはザ・ちぇん! わたしにわからないことなんてないよー! わかる、わかるよー!」 「ザ・みょん、任せたわ」 「みょん! おとこの人のまんなかでぶらぶらしてるものちーんぽ! ヒント:おおきくなったりする!」 「ザ・ぱちゅりー、いるの?」 「むきゅー… むきゅー… 息が苦しい… 私はザ・ぱちゅりー おにいさんが殺めたなかまの悲しみを知るがいい」 「ザ・ゆかりは普段死んでいる 時がくれば目覚める そして奴は…納豆臭い。」 「おにいさん!聞こえる! 私はゆかりん! あなたに本当のゆっくりをおしえてあげるわ!」 「これで5人そろったわね 今度は地獄の底まで一緒…」 「世界はもともとゆっくりだったのだ 引き裂かれた世界をゆっくりにする そのためには力が必要だ 世界をゆっくるに足る絶対的な切札が それがゆっくり部隊 そしてゆっくりプレイス」 うっさいので蔵を閉めた。 古い蔵の食料は全部出してあるので多分2週間もしたら餓死してるだろう。 このSSに感想を付ける
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ゆっくりいじめ系1812 ゆっくりの靴 前編より続く とりあえず仕事部屋に放置してきたまりさ二匹は気がついていたのか俺が入ると騒ぎ出した。 「ゆゆっ!!お兄さんなんでまりさこんなところに入れられてるんだぜ!?」 「そうだぜ!ここはゆっくりできないからさっさとだすんだぜっ!そしてお兄さんは今日のご飯を用意してくるんだぜ!」 全く太ぇゆっくりだ・・・ 「なぁお前達。知ってるのか?お前の仲間のれいむが死んでしまったんだぞ」 「ゆゆっ!仕方ないんだぜ!れいむとちぇんはまりさ達がご飯食べるのを邪魔したからせいさいしてやったんだぜ!」 「げーらげーら!これでまりさ達のごはんの取り分が増えたんだぜ!」 「そうかそうか・・・わかったよ」 こいつらがどうしようもないゲスだと言うことがね。 「そんなことより早くこの箱から出すんだぜ!」 「ゆっくり出来ないんだぜ!」 いい加減、虐待をするつもりは無かったがあまりにも自分勝手なまりさ達に対してお兄さんの怒りも有頂天をむかえてきた。 「そうか・・・ゆっくり出来ないのか。・・・・・・・・・お前達にゆっくりする資格なんかねぇッッッ!!!」 バシンッ!! 大きな怒鳴り声とともに片方のまりさの箱の上部を思い切り叩き付ける。 「ゆひっ!お、お兄さんどうしたの・・・だぜ?」 「ぴぃ!お兄さんどうして怒ってるの?」 お兄さんの恐ろしい剣幕に二匹は素の口調に戻りかける。 「お前達・・・どうして俺の藁を食べたんだ・・・?ちぇんとれいむはお前達が藁を食べようとしたのを止めたんだろう?」 「ゆっ!そ、それはまりさ達お兄さんのお仕事の手伝いしたから藁は当然のほうしゅ・・・」 バシンッ!! またしてもお兄さんは答えていたまりさの箱を叩き付ける。 「お前達の、仕事は、俺の藁を、食い散らかすことなのか・・・!?」 流石にやばい・・・そう感じたまりさ達は媚びた笑いを浮かべながら言い訳を始める。 「ち、ちがうんだぜ・・・あ、あ、あれは・・・・・」 「まりさじゃないんだぜ。まりさ食べてないんだぜ!!」 あぁもういいや。 お兄さんはもはや何を話しても仕方ない、そう理解した。 「そうかそうか。もういいよ。お前達には新しい仕事をして貰おう」 そう言ってお兄さんは一匹のまりさを箱から取り出した。 「ゆっ?お外に出られたんだぜ!」 「まりさもっ、まりさも出してね!出してねっ!」 外に出して貰ったまりさは安心したような顔をしていた。 しかし、急に強い不可がかかった・・・そう思った瞬間に地面に激突していた! ズバンッッ!! 「ッッッッ!!!」 「ゆぇ・・・?」 顔面から地面に叩き付けられた方のまりさは顔が下になってしまっているので悲鳴も上げられずに地面に張り付いていた。 一方、箱の中にいたまりさの方は何が起こったのか理解できずに目を白黒させていた。 お兄さんは何も言わず容赦なく地面にひっついているまりさの髪を引っ張り自分の顔の高さまで持ち上げる。 「ゆ”っゆ”っゆびっ!・・・い、いだいよぼぉーーー!!」 と、声を上げた瞬間また先ほどと同じ不可を感じ・・・・ズバンッッ!! またしても地面に叩き付けられる。 「ゆべっっ!ゆ”ゆ”ゆ”っ・・・・」 今度は顔の側面から叩き付けられ、呻き声を上げている。しかし、やはり容赦なく髪を引き上げるとまた地面に叩き付けようとする。 「お、おにいざん何やでるのぉぉーーー?!ばりざが痛がっでるよ!やべてあげでねっ!」 「ん?まぁ次はお前の番だからゆっくりまってろな?」 「どぼじでぞんなごどずるのぉぉぉーー!?」 「それは後のお楽しみってね☆」 そう言ってお兄さんはまたまりさを地面に叩き付ける。 バシンッ!ズシンッ!ズバシッ! ただの作業の様に地面に繰り返し叩き付ける。 ゆっくりというのはその性質上あまり堅くはなく指で刺したり、包丁で切ったりして餡子が減ってしまうと比較的簡単に死んでしまう。 しかし、こういった面での衝撃に対しては比較的頑丈に出来ていて、苦痛を与えるための虐待としては割とポピュラーな方法になっている。 まぁお兄さんがそう言った事を意図してやっていたわけではないが。 こうしてしばらく強かに地面に叩き付けられていたまりさだが、次第に声も上げなくなってきた。 そろそろか・・・そう思ったお兄さんは次の作業に移る。 地面に張り付いたまりさを拾い上げて机の上に乗せる。 まりさの顔が・・と言うか体全体が打ち据えられて真っ赤になっている。 「ゆひぃ・・・ゆひぃ・・・ゆ”っ」 「お兄ざん!もう許じであげでねぇ!ばりざが死んじゃうよっ!」 そう言いながら透明な箱に入っているまりさが訴えかけてくるが黙殺。 「さて、次は・・・・っと」 そう言いながらお兄さんはまりさの帽子を取ってそれを自分の手にはめる。 「・・・ゆっ・・?・・・・か、返して・ね・・・ばりざの・・・お帽子がえじで・・ね・・・・・」 帽子を取られたのがそれ程不快なのか、瀕死の(と言っても体が痛いだけで餡子に傷ついてないので死ぬことはないが)状態でも反応を示す。 「あぁすぐに返してやるよ・・・」 お兄さんはまりさの頭頂部に帽子のてっぺんを当てると、少しずつ、少しずつ帽子をまりさの頭の中に押し込み始めた。 先ほどから地面に叩き付けていたおかげで全体的に柔らかくなっていたまりさの頭は比較的簡単にお兄さんの手を受け入れはじめた。 皮を破らないように、ゆっくりと慎重に・・・。 「ゆ”っ・・ゆっ・・ゆ”ゆ”ゆ”・・・ゆ”っ・・・・・や、やべっ・・・で・・」 ある程度、手首が埋まるまで帽子を頭につっこんでみた。 やはり餡子が減ることが無いので死ぬことはあり得ないが、頭の中に手を入れられるのは相当苦痛なのだろう ゆっくりと呻き声を上げ続けている。 そしてもう一方の箱のまりさは目の前で行われている残虐劇(ゆっくり達にとってはだが)を目の当たりにし箱の隅で恐怖に震えていた。 「ゆ”っゆ”っゆ”っ・・・」 手首まで入った腕を今度は手首を返して顔面の方に少しずつ掘り進める。 体の中に手首分以上の体積が入ったのでまりさの体はどこか膨らんで来たかのようになっていたが、内側から顔面に向けて異物が侵入していたため 顔の形が変わり始めてきた。 「ゆべべ・・・もうやべでぇ・・・・・・」 まりさが声を上げるたびに内部でお兄さんの手はこそばゆいような振動を感じていた。 「おいおい、くすぐったいぞww。お前こんな所で声出してたのか・・・」 どうやら口の中というか・・・むしろ内部の餡子自体が振動して音を作っているらしい。 だからこいつらが森の中で話しているだけですぐに場所が分かるのか・・・ ある意味、餡子スピーカーというやつだ。ウーファー付きの。 「よぉそっちのまりさ、見えるか?なんかこいつ腹話術人形みたいだな!」 そう言ってお兄さんは頭の中で手をグーパー閉じたり開いたりする。 するとまりさは・・・・ 「ゆあ”っ!ゆあ”っ!」 と、動作に合わせて声を上げる。 「まるで出来の悪いカエルの玩具みたいだな!!はははははははっ」 「ゆぅぅ~・・・もうやべであげでねぇ・・酷いことじないでね・・・」 「大丈夫大丈夫!どうせお前らなんて餡子がでなきゃ死なないんだろう?だから俺がお前らみたいな屑饅頭を有効活用してやるんだ。ありがたくそこでお前の番を待ってろ」 「ど、どぼぢでごんなごどずるのぉぉーーー!?」 もう自分の理解の範疇を超えた恐怖に完全にすくみ上がっているまりさ達だ。 そこでお兄さんはどうしてこんな酷い(ゆっくり主観では)事をするのか、ゆっくり、やさしく説明してやることにした。 「お前達が藁を食べようとしたときにれいむとちぇんは止めようとしなかったか?」 そう言って既に穴の広さがかなり広くなって完全に顔の形が変わってしまっているまりさを自分の顔の前に持ち上げた。 「ゆ”っ、ゆひっ・・・ぢぇんがまりざの・・・邪魔をしたんだよ・・・。だがらまりざがばがなぢぇんをやっづげだんだよ・・」 「そうだよ!れいむがまりさの食事を邪魔してきたんだよ!ぷんぷんっ」 藁を食べること自体が悪いことだと忘れてしまっているまりさは、食事の邪魔をしたれいむ達が悪い。 自分たちは無罪だから責めるなられいむ達を責めろと言わんばかりの態度で言い返してきた。 「そうかそうか、つまり悪いのはお前達の食事の邪魔をしたれいむとちぇんなんだな?」 「ぞうだよっ!ばでぃざは悪ぐないよ!!」 「・・・・お前達が食べた藁はな、これから美味しいご飯に変わるはずだったんだぞ?わかるか? お前達が食べて無くなってしまった美味しくない藁はな、俺が靴にしてとってもゆっくりできるご馳走になるはずだったんだぞ」 「ゆ”えっ?」 「ゆゆゆっ!?それじゃあまりさ達が食べたのは・・・」 「そう、美味しいご飯になるはずだった美味しくない藁だ。しかもお前達はそれを食べたいがためにお前達の仲間だったれいむとちぇんに 酷いことをして、あまつさえれいむを殺したんだ」 あまりの腹立たしさに思わずまりさの頭の中で餡子ごと手を思い切り握りしめる。 ビクンッ「ゆ”っっ!!ゆげぇぇ・・・」 「ご、ごめんなざいぃぃぃーーー。もうじないがらゆっぐりゆるじでぇええぇぇーー!」 「いーやだめだ。お前達は藁の代わりに美味しいご飯と交換する事になりました。で、今年の冬はちぇんと一緒に美味しいご飯を食べて過ごす事にした」 「ゆびぇぇぇーーーー!!!だじゅげでねっーーー!でいぶおねえじゃーーんっっ!!ぢぇんおねえじゃああーーーん!!」 自分が殺してしまったれいむやちぇんに助けを求める。流石餡子なだけあって記憶力が全くないな。 頭に穴の空いた方のまりさの整形はおおむね完了したのであとは外面の形を整えるだけだ。 まりさをもう一度机の上にのせ、鼻のあたりから底に向けて丁度中で手首の返しのあたりから底面に向けて一本。 同じく鼻のあたりから後頭部の方に向けてもう一本、藁で作ったロープで縛り上げて丁度「靴」の型に形成した。 「ゆ、ゆ”ぐっ・・・ぐるじい・・・・っ」 これで片方は完成・・・と。 お兄さんは靴状になったまりさ、靴まりさを透明な箱に移して次のまりさに取りかかる。 次は自分だ・・・そう言われていたまりさは恐怖で逃げようとするが当然狭い箱の中で逃げられるはずも無くすぐに捕まる 「やべでぐだざいぃぃーーー!まじざ靴になんでなりだぐないよぉぉーーー!!」 「だーめだめ。お前は靴決定。精々苦しんで反省してねっ!!」 ズバンッッ!! そして焼き増しの悲劇が始まった。 翌朝。 「ゆぁぁ~・・・お兄さん朝なんだよ!ちぇん元気になったんだよーわかるよー」 「んん・・・おぅちぇん大丈夫か?」 「ゆっくり元気になんたんだねーわかるよー!」 「そうかそうか、良かったな。それじゃあ朝ご飯にするか」 「朝ご飯なんだねー!わかるよー」 「わかるわかるって・・・何がわかってんだか・・・」 居間に移動してきたちぇんは不思議なモノを二つ発見した。 「ゆゆっ?お兄さんあれなーに?わからないよー?」 「ん?アレか?・・・アレはまりさだったモノだ。今は靴だがな」 「まりさは帽子をかぶってるよー。わからないよー?」 そう、今には帽子を頭の中にねじ込まれ靴状に形が変わった靴まりさが2足おいてあった。 帽子で個体識別するゆっくりは帽子が見えないと個体が分からないらしい。 「う~ん、それじゃあちょっと見せてやるか・・・」 言ってお兄さんは靴の足の入れ口をちぇんに見せてやる。 すると、確かに黒い帽子のようなモノが見えているがすでに帽子が帽子の役割を果たしていないがなんとちぇんには分かったらしい。 「ゆゆゆっっ!?ま、まりざーーー?!どうじだのー?わがらないよぉーー」 「ゆ”っ・・・ちぇんお姉ぢぁん・・だずげでぇ・・・」 「ゆっぐりばでぃざが悪がっだでず、だずげでぐだざいぃぃーー・・・」 昨夜体を手ひどく痛めつけられ、あまつさえ頭の中に手を突っ込まれ息も絶え絶えだった二匹がちぇんの声に反応して目が覚めたようだ。 「おにいざん!まりざが変になっちゃったよー!わがらないよぉーー?!」 「あぁ、まりさ達には藁を駄目にされたからな。代わりに売る物がないとお兄さんとちぇんは冬を越せなくなるんだ。 だからまりさ達には靴になって貰って今年の冬のご飯と取り替えて貰うことにしたんだ。ゆっくり理解できたか?」 「わ、わかるけど・・・まりさが可愛そうだよー・・・」 「まぁ仕方ないだろ?あいつらが藁さえ食べなければみんなで楽しく冬を越せたのに勝手に藁を食べたんだから」 「わかったよー・・・まりさ達は可愛そうだけど悪い子はおしおきされるんだねー」 「ぞんなごど言わないでだずげでぐだざいぃーー」 「ゆっぐり許じでねぇーー?!」 「はいはい、まぁ仲間として来たから最後にちぇんと話す機会だけ作ってやったけど見苦しい奴らだな。まぁこれで声を出すのは最後だから悪あがきでもしてたらいいぞ」 そう言ってお兄さんは自分たちの朝食とある物を取りに台所に行って来た。 「よし、ちぇんは先にこれを食べてていいぞ」 まずはちぇんに餌として野菜の皮をやる。 そしてまりさの口には・・・ 「じゃあ次はお前達の口にはこれだ」 そう言って焼けた鉄棒の棒を無理矢理口につっこむ。 じゅぁあああーーー!!! 「ゆぎゃあああーーーーー!!!だ、だずげっ・・・・・っっ」 熱された鉄棒は容赦なくまりさの口を焼き、次は底面をジグザグに焼き付ける。 よほど痛いのだろう。目から涙を流しながらびくんびくんと震えている。 ちなみにジグザグに焼きを入れるのは滑り止めのために返しになるような痕をつけるためだ。 一匹目のまりさの焼き入れが終わり、次のまりさに取りかかる。 「や、やべでねっ!までぃざに酷いごどじないでねっっ!?」 「はいだーめっ」 じゅぅぅーー! 「っゆ”ぅーーー!!!いじゃいよぉーーー!!!」 「ん?火力が弱くなってきてるのかな?仕方ない念入りにやるか・・・」 仕方なくお兄さんは長時間をかけてゆっくりまりさの口と底を焼き入れしていった。 その目の前でちぇんは久しぶりの豪華な食事に夢中だった 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせぇー!」 自分が半殺しにした相手にすら助けを乞うまりさ 「だずげでぇーーー!ぢぇんおねえじゃーん!!」 「わかるよー まりさは助けて欲しいんだねー。でもまりさは悪い子だからそこでゆっくり反省するんだよー」 「どぼぢでぞんなごどいうのぉぉぉーーーー!?」 「そりゃお前が人の商売道具勝手に食い荒らすからだろうが」 そう言って容赦なく熱の下がってきた焼きごてを口につっこみ二度としゃべれなくする。 「ゆぐぐぅぅーーー!!」 二匹とも呻き声しか上げなくなり、まぁ形も靴状になったのでとりあえず試し履きしてみることに。 左足・・・右足・・・・ 「「・・ゅっ・・・!!」」 うむ、懸念してたうるさい声もしないし何より履き心地がたまらない。 幻想郷ではお金持ち以外は足袋など穿かないのでそのまま藁の草履を穿くのだが、それに比べてまりさの帽子の肌触りや餡子の柔らかさと言ったら・・・ まさに上出来。そして何よりゆっくり自体は人間とそれ程体温が変わらないので非常に温かいのだ。 若干重さはあるが、藁靴にかんじきを合わせて穿いているのよりも少し重たいくらいで冬用の履き物としてはそれ程気にもならない。 試しに外に出てみる。 「ゅ」「ゅぅ」「ゅ」「ゅっ」 左右左右と一歩進むごとになにやら呻き声を上げ、なんだか涙も流しているが履き心地は最高である。 普通冬と言えば足先や手先が冷たいのであまり外へ出ることが出来ないんだが、これさえあれば冬場でも狩りに出かけることができて猟師達には売れるだろう。 しばらく試し履きをして家に戻ったが、きっちり焼いていったのでふやけることもなかった。 「おーいちぇん。ちょっとこれから外にこいつら売りに行くが付いてくるか?」 「わかったよー、一緒にいってまりさ達にお別れするよー」 こうして作った靴まりさは里でも有名な名家の稗田家のお嬢さんが通常の藁靴の10倍ほどの値段で買い取って行った。 最初はそんなに高値で売るつもりは無かったが、お嬢さんが・・・ 「これは素晴らしい物です。是非妥当な価格で買い取らせてください!」 と何故か頬を紅潮させながら言ってきたので、まぁ知識人がそう言うならそうなんだろうとその値段で売った。 しばらくて、稗田家と言う名家のお嬢さんが使っていると言うので里の豪商や名家の連中がお兄さんの元に新しく靴を作ってくれるように 買い求めに来たのでお兄さんはちぇんと協力して冬眠中のゆっくりを狩りに行き、沢山の靴を売りさばいたお兄さんは今年一冬で沢山儲ける事が出来ました。 また、一部の要望で声を潰さずに悲鳴を上げる靴ゆっくりも開発するようになりましたとさ。 「ゆべぇっ」「ゆぐっ!」「だずげっ」「たすげで」「ゆぎぃ」「ゆ”っ」 こうしてこの冬は里の中でゆっくりの悲鳴と呻き声がこだましていました。 作者:ユギャックマン
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ゆっくりアスパラかかし 制裁 俺設定 「おじさああん!ゆぐっ!ゆっぐりだすけてね!いだい、いだいよおおお!!」 朝、俺が畑に出てみると、一匹の子まりさが身動きもせずに泣き叫んでいた。 「・・・何やってんだお前。助けるって、何を」 「うごけないのおお!!あんよに、なにか、ささってるよおお!」 うん、なるほど。俺は一人で納得した。 まりさの足元には、ホワイトアスパラガスを栽培していたのだ。 「ゆぐっ!ぬけないよ!はやぐたすけてえええ!!」 ご存じの方も多いだろうが、ホワイトアスパラの特徴は土をかぶせて栽培することだ。 日光に当てて栽培すると、緑色素が多くなり普通のグリーンアスパラになる。 このまりさは土の下に隠れたホワイトアスパラに気付かず、上に跳び乗って刺さってしまったようだ。 「どれ、ちょっと見せてくれ」 俺はまりさの頭をつかみ、刺さっているであろうアスパラを軸に半回転させた。 「ゆぐりゅっ!いだ、いだあああ!!」 実にきれいに刺さっている。底面のど真ん中に、垂直にだ。 普通こんなことにはならず、アスパラが折れるかどうかすると思うのだが。よほどうまく跳び乗ったらしい。 「はははやくう!ぬいでええ!!」 昨日の時点でアスパラは10cm弱まで育っていた。まりさの身長は20cmくらい。 体の半分まで刺さっている。そりゃ自力で抜けないわな。 「・・・よく考えたら、何でお前ここにいるんだ。おい、いつ、何のためにこの畑に入った」 「そんなのどうでもいいからはやくぬいてよおおお!!なんなの?ばかなの?しぬの?」 「いいから答えろ。答えないと抜く前に叩き潰すぞ」 「ゆうううぅぅっ!?」 まりさは話し始めた。 昨日の日没頃、家族みんなでここに野菜を食べに来た。みんな野菜を食べてしあわせーだった。 まりさは他にも野菜がないかと探していて、土の山を踏んでしまった。 すると何かが刺さり、身動きが取れなくなってしまった。 家族は気付かずにまりさを置いて帰ってしまった。 「・・・要するに畑荒らしじゃねーか」 辺りをよく見てみると、あちこちの苗にゆっくりの歯形が。 「やってくれたな・・・俺が丹精込めて育てている野菜を・・・」 「おやさいさんはかってにはえてくるんだよおお!? それよりいいかげんにしてね!ゆっくりしすぎだよおお!!」 情状酌量の余地無し。殺す。 引っこ抜いて叩きつけてやろうと手を伸ばしたが、ふと考えついた。 このままにしておくのも面白いかもしれない。 「いや、そのままゆっくりしててくれよ」 「ゆううう!?どぼしでそんなごど・・・」 「いちいち土かけるのが面倒なんだよ」 アスパラは気温が上がりさえすればどんどん生長する野菜だ。 暖かいゆっくりの体内ならすくすくと伸びていくだろう。 「ゆううう!いかないでえええ!ゆっくりしていってよおお!!」 俺は真っ青な空を見上げた。今日はいい天気になりそうだ。 時折響くゆっくりの叫び声を聞きながら、いつも通り畑仕事に励んだ。 翌朝。俺は一番にまりさの様子を見に行った。 「さむいよ・・・おなかへったよ・・・」 かなり参っているようだ。 一昨日の夜から何も食べていないし、春とはいえまだ相当冷え込む夜に二晩も放置されていたのだ。 「まりさ、調子はどうだ?」 「おじさああん!はやぐ!はやぐだずげっ・・・いだいいい!!」 それでも俺が近づくと激しく反応した。まだまだ餓死することはなさそうだ。 「どこか変わったところはないか?頭が痛くなったとか」 「ゆゆっ!あだまいだいよ!がんがんするよおお!!」 アスパラも順調に生長しているらしい。そのうち頭頂部を突き破って出てくるかな。 「だすげて!おじさん!ゆっぐりさぜて・・・」 「はい、じゃあ今日も一日そのまま頑張ってね」 「どぼじでええええっ・・・!!いだいいいい!!」 今日も空は雲一つ無し。一生懸命働こう。 また翌朝。拘束3日目となるわけだが、どうなっているだろうか。 アスパラ畑の中にぽつんと黒い帽子が一つ。まりさは―― 「ゆっっkぐりぃしゅでやぁtぱrrr・・・」 ――壊れていた。 聞くところによると、ゆっくりには中枢餡というものがあって、それが思考や行動の全てを司っているらしい。 おそらく生長したアスパラがそれを傷つけてしまったのだろう。 しかしこれじゃもう面白くないな。楽にしてやるか。 そう思っていると、遠くから声が聞こえてきた。 「おちびちゃああん!!どこおおお!!」 「おねーちゃああん!ゆっくりへんじしてええ!!」 俺は近くのビニールハウスの陰に隠れた。 「ゆーっ!おちびちゃん!まりさ!おちびちゃんがいたよおお!!」 「ゆっ!ほんとうなのぜ!?」 ばいんばいんと跳ねてきたのは成体れいむ。少し遅れて成体まりさや子れいむ数匹もやってきた。 「おちびちゃん!ごめんねぇ・・・さびしかったでしょおお・・・」 やはり子まりさの家族のようだ。身動きのできない我が子に声をかける親れいむ。 しかし、返ってきた言葉に硬直した。 「ゆぷっkりあやkきあううう・・・」 「・・・・・・ゆ?」 「・・・ど・・・どうしたんたぜ!?」 「ゆゆyゆyyがp・・ゆぎゃああ・・・」 子まりさの目玉はぐりんぐりんと回転し、口は無意味にガッパンガッパンと開閉する。 「おねーちゃん・・・こわいよ・・・」 「どどどどうしたのおちびちゃん!しっかりしてえ!ゆっくりしてええ!!」 「ゆbぶbbbぶbううb」 明らかに異常な子まりさの様子を見て、一家は怯え始めた。 「おねーちゃん!ゆ・・・ゆっくりしてえ!」 「ゆぎゃーん!!こわいよおおお!!」 「ゆ・・・ゆうっ!おちびちゃんのあんよになにかささってるよ! まりさ!みんな!たすけてあげるよ!」 親れいむは異常の根源に気付いたようだ。だが、他の家族はすっかり怖じ気づいてしまった。 「こんなの・・・おねえちゃんじゃないよ・・・」 「ま、まりさのおちびちゃんはもっとゆっくりできるんだぜ!こんなのしらないんだぜ!」 「どぼじでそんなごどいうのおお!?はやくたすけてあげないと・・・」 「まりさのゆっくりできるおちびちゃんたち!あっちにおやさいさんをたべにいくんだぜ!」 「「「ゆーっ!!」」」 離脱する親まりさと子れいむ達。あとには親れいむと子まりさだけが残った。 「ゆくっくっくrrrれれr・・・」 「・・・ひ、ひどいよおおおお!おちびちゃん!れいむがなおしてあげるからね!ぺーろぺーろ!」 「本当にひどいなお前ら。家族だろうが」 「あんなのかぞくでもなんでもないんだぜ! それよりいまからむーしゃむーしゃするから、じゃましないでほしいんだぜ!」 「あ、そ。ところで、2日ほど前にもここで野菜食ったよな?」 「ゆゆっ?どうしてしってるんだz・・・ゆぎゃああああ!!」 「いやあああああ!!」 「やべてええええ!!」 不埒なゆっくり達の頭を叩き割って戻ってきてみると、親れいむはまだ子まりさの顔を舐めていた。 「ぺーろぺーろ!おちびちゃん!しっかり!」 「ゆp・・・おが、おがーsy・・・」 何と、子まりさはわずかに反応している。 「ゆっ!そうだよ!おかーさんだよ!ぺーろぺーろ!」 舐めるのに夢中な親れいむの背後に忍び寄り、スコップを脳天めがけて振り下ろす。 「ゆぶぺっ!!」 顔面と後頭部がきれいに分かれた。親れいむは舌を突き出したまま、白目をむいて頓死した。 「おが・・・しゃん・・・ゆっぐ・・・」 子まりさはだいぶ落ち着いていた。まさか、治るのか? 俺は家からオレンジジュースを取ってきて、子まりさにかけてみた。 「ゆpッ!ゆくっ!ゆっ!・・・ゆっくり!ゆっくりしていってね!」 「・・・ああ、ゆっくりしていってね」 俺は半ば呆れていた。人間で言う脳髄を傷つけられたはずなのに、オレンジジュースで治ってしまった。 「ゆっ?いまおかーさんがいたよう・・・なあああああ!!」 眼前で真っ二つになっている母親に気付き、絶叫する子まりさ。 「ゆわあああ!!おかーしゃ・・・いだい!あだまいだいよ!おじさん!はやくぬいでええええ!!」 後遺症も無し。つくづく不思議な生き物だ。 俺は親れいむの死体を回収し、静かに立ち去った。 「ゆわああああん!ゆわあああああん!!」 オレンジジュースで元気になったまりさの泣き声が、夕方まで響いていた。 それからの日々は、まりさに「逆かかし」として過ごしてもらった。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「ゆっくりむーしゃむーしゃするよ!」 「ゆ?あそこにまりさがいるよ!」 「ほんとだ!いってみようよ!」 「ゆうううっ!おねーさんたち!まりさをたすけてええええ!」 「ゆうぅ!まりさのあしになにかささってるよ!」 「ゆっくりまってね!ゆっくりたすけるよ!」 「ゆうう・・・ぬけないよ・・・!」 「いだい!いだいよおおお!」 「ようまりさ。今日もご苦労さん」 「ゆぎゃああああ!おじさん!こないでええええ!!」 「ゆっ!おじさん!まりさをたすけてあげ・・・ゆぎゃああああ!!」 「れいむううう!!おじさん!なにするの・・・ゆげえええええ!!」 「おねえええさああん!!」 このように、畑に侵入したゆっくりをまりさに引きつけてもらい、叩き潰す。 この方法のおかげで、畑の被害は激減した。 5日おきに、オレンジジュースを文字通り浴びるように飲ませてやれば餓死することはない。 雨の日はちゃんと透明な箱をかぶせて守ってやる。オレンジジュース代がかさむが、畑の被害に比べれば安いもんだ。 だんだんとまりさは精神をすり減らしていき、助けを求めるとき以外は黙ってじっとするだけになった。 まれに涙を流しているときもあったが。 そうして2週間ほどが経過したある日のこと。 「あ゛あ゛あ゛っ・・・あ゛あ゛」 突然まりさが呻き始めた。畑仕事を中断し、様子を見に行ってみた。 「あ゛あ゛っ・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 虚空をぼんやりと見つめ、ただひたすらに呻いている。 また中枢餡がやられたか、と思ったがどうも違うようだ。 俺は少し考え込み、あることに思い当たった。 まりさの帽子を持ち上げる。 「あ゛あ゛あ゛・・・おぼうし・・・やめて・・・」 頭頂部からアスパラの白い先端が1cmほど飛び出ていた。 「貫通、おめでとう」 「・・・・・・」 このアスパラは20cmを超えたわけだ。やはり他のに比べて生長が速い。 これはもうそろそろ収穫だな―― 「・・・ごろじて」 ――と考えていると、まりさがぼそりと呟いた。 「もう・・・ころして」 また少し考え込んだあと、俺はまりさの頭に帽子を返した。 「まあ、もうちょっとゆっくりしていけよ」 「いや・・・やめて・・・」 「今日はジュースの日だったな。飲んで元気出せよ」 「もう・・・いやだよ・・・やめてね・・・」 個人的に興味があるので、もう少しこのままにしてみよう。 俺はオレンジジュースを取りに家に戻った。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「ゆっくりむーしゃむーしゃするよ!」 「ゆ?あそこにまりさがいるよ!」 「ほんとだ!いってみようよ!」 「おでーざんだぢ!ごないでね!ゆっぐりしないでにげてね!」 「ゆう?どうして?」 「ゆっくりできないおじさんがいるよ!ゆっくりできなくなるよ!」 「ゆゆ!だいじょうぶだよ!れいむはれみりゃよりもつよいんだよ!」 「やべて!ゆっぐりしないでにげてね!」 「いやー、毎度毎度ご苦労さん」 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆっ!ゆっくりできないおじさんだね!」 「れいむにまかせてね!ぷくー・・・ぶびゅうううう!!」 「れいむうううう!!・・・ゆぎゃああああ!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 また2週間が経過した。ホワイトアスパラ達は軒並み20cmを超えたので収穫していった。 しかし、まりさのアスパラはそのままだ。 「おねがい・・・ころして・・・」 そう言い続けるまりさの頭の上の帽子が、何だか少し浮いてるように見える。 ついに来たか。俺、何だかワクワクしてきたぞ。 次の日には、はっきりと目に見えて浮いていた。 伸びたアスパラが、まりさの三角帽子までをも押し上げ始めたのだ。 「おぼうしさん・・・まって・・・ゆっくりしていってね・・・」 まりさも気付いたが、どうすることもできない。 幸か不幸か、この日から3日続けてゆっくりの侵入はなかった。 アスパラはじわじわと伸び、帽子とまりさの頭との距離は5cmくらいになった。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「とかいはなところね!ゆっくりむーしゃむーしゃするわ!」 「ゆ?あそこに・・・『ゆっくりできないゆっくり』がいるよ!」 「ほんとうね!いくわよれいむ!」 「ゆうううう!!やべてえええええ!!」 「ゆっくりできないゆっくりはさっさとしんでね!」 「いなかものはいなかものらしくしんでね!」 「ゆぎゃあああ!!いだ、いだいよおおお!!」 俺はまりさが攻撃されるのを陰から見ていた。 たった5cm先に帽子があろうとも、飾りを持っていないゆっくりとして認識されるらしい。 アスパラに磔にされたまりさは、為す術もなく嬲られ、絶命した。 長い間ありがとう、まりさ。お前のくれたアイディアと死は無駄にはしない。 「ゆっ!これでゆっくりできるね!」 「そうね!おやさいさんをたべ・・・ゆぎゃあああああ!!」 どちらかというと脆そうなありすは叩き潰した。 「ゆうううう!ありすうううう!! ゆがっ・・・はなしてねおじさん!」 「逆かかし」の2代目は、このれいむに決定だ。 土台は別にアスパラでなくてもいい。何か金属棒でいいだろう。 もう一度まりさに深く感謝し、アスパラに引っかかっていた帽子を風に飛ばした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき アスパラ炒めてて思いつきました。 過去作品 ゆっくりバルーンオブジェ 暗闇の誕生 このSSに感想をつける
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やぁ俺はフランク、ジャーナリストってことはもう知ってるよな。 さて、俺は妙な街に取材に来てしまった。 なんというか、生首饅頭がうごめく街? ほらそこ笑うなって、たしかにポップコーン食べながら見るような感じだけどさ。 キラートマトとか兎男とかあるんだからよ、ちょっとはびびろうぜ? まぁ、ともかく俺はガンショップを出たんだ、すると無線が入ってモニターに何か映ったとかいって引き戻された。 んで確認のために行ったんだが……。 まぁそれは面倒なので後で説明するけどそのあと博士みたいな人を捕まえて怪我してるからってんで薬をとってこようとモール内のスーパーに入ったのさ、そしたら…… 俺はライフルを持ってスーパーの中に入った。 内部はクーラーが聞いていてひんやりとしている。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」 食料品の所にゆっくりたちが集まっている。 やつらも人間と同じ物を食うのだろうか。 近寄ってみると袋入りされた菓子だけが食われており、肉や魚などのナマモノには手は付けられていなかった。 (ふぅ、一応食料はあるみたいだな) 俺は安心しているとどこからかべちゃり、という奇妙な音を耳にする。 あたりをきょろきょろ見回していると、生肉が並んでいるところであのれみりゃを見つけた。 「うー♪ おにくいりゃない! ぽいするの♪」 見れば、生肉の入ったトレイを開けて中身を取り出し地面に捨てている。 慌てて俺は走り出しライフルを構える。 「うー?」 音に気づいたのか俺の方向を見た瞬間、俺は引き金を引いた。 渇いた銃声がモール内に響く。 「あ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」 ちょうど良い具合に肉を持っていた手が吹き飛び、地面に自分の体の肉をばら撒く。 その音に気づき、ゆっくり達が一斉に俺を見た。 「ゆ! あのおじさんはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりしね!」 ゆっくり達が群がってくる。 「う゛ー♪ ぶぁーが! ゆっぐりだぢな゛ら゛お゛ばえなんがやっづげじゃうんだどぉー♪」 俺はれみりゃを見て愕然とした。 こいつ、再生するのか。 ちぎれた腕はそのままに、新しい腕がれみりゃの腕に付いている。 「くそっ」 銃を構えた瞬間、三匹同時タックルをくらい、俺はこけた。 銃も取り落としてしまう。 周りに武器がないかと手探りで探していたら、長い棒のようなもの触った感覚があった。 引っ張ってみてみると、それは。 「フランスパン!?」 焼き立てではなくカチカチに固まっているフランスパンだった。 たしかに固いがゆっくり達に効果はあるのだろうか。 「せいっ」 再びタックルしようとしてきたゆっくり達をフランスパンでなぎ払う。 「ぶぇっ!」 「ゆ゛」 吹っ飛ばされたゆっくりは地面に叩きつけられ破裂して死んだ。 なるほど、パンでも威力はあるようだ。 「せぇやっ!」 思い切り叩きつけたりなぎ払ったり。 ゆっくり達はなす術もなくつぶされて行く。 残ったのは金髪のゆっくりと黒髪のゆっくりだった。 「ごべんだざい゛! れ゛い゛む゛がお゛ぞお゛う゛っでい゛っだん゛でず!」 「ゆっ!?」 金髪ゆっくりが何か言うと、黒髪ゆっくりが驚いたような顔をした。 「わるいれいむはしんでね!」 「ゆっ、れいむわるいことしてないよ! さいしょにいったのまりさだよ!」 れいむ? なるほど、黒髪の方はれいむというのか。 んで、この金髪のほうはまりさまりさって呼ばれてるからゆっくりまりさ。 とりあえず奇妙な二匹を写真に収めた。(エクセレン!) 「おじさん! ゆっくりれいむをいじめていいからまりさは見逃してね!」 「びどい゛よ゛ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! どうじでごんだごどずるどお゛!?」 れいむが泣き叫んでいる。 うるさいので黙らせようと俺はれいむに手を伸ばした。 ちらりとまりさのほうをみると、唇を吊り上げて人を馬鹿にしたような顔をした。 ちょっとむかついたのと、こいつを食べた事が無かったので俺はれいむからまりさを掴む。 「ゆっ!? ちがうよおじさん! いじめていいのはれいむだよ!」 なんか言ってるがわからん。 とりあえず口の中に手を突っ込んでみる。 「おごあがががあががががががが!」 やわらかい感覚が腕に絡み付いていてちょっと気持ち悪い。 中身を引っ張ってみると、中から黒いどろっとしたものが出てきた。 確かこれを舐めると甘かったんだよな。 手に持っていたフランスパンにそれを塗って食べてみる。 「yeah!」 結構イケル、売ったら繁盛するかも。 うまかったのでついまりさを落としてしまった。 「ゆべっ」 「あ、しまった」 慌てて拾おうとしたとき。 カラカラカラカラカラ……。 なんの音だ? カラカラカラカラカラ……。 ショッピングカート? 「いらっしゃいませー!!」 「うおわっ!」 耳元で叫ばれ、俺はしりもちをつく。 立ち上がって相手を見る、それはこの店のロゴが入ったエプロンをつけた小太りの男だった。 「あの……あなたは?」 「俺はここの店長だ! そしてここは……!」 男がショッピングカートに手をかける。 一瞬だけ確認できたが、カートの先端にナイフとフォーク、そしてバーナーが備えられていた。 「ここは俺の店だぁー!!」 俺は命の危険を感じて逃げた。 あ、しまった。 ゆっくりまりさの事忘れてた。 「ゆ゛ぎあぢぃぎぃだぐえっ!」 言葉にもなってない悲鳴が聞こえた。 恐らくカートに踏み潰されたのだろう。 俺は銃を取りに戻り、カートをターンさせて突っ込む男に向けて放った。 肩と胸に命中したが、ひるむ様子も無く突っ込む。 「ゆ゛っぐり゛ぃ゛!」 「ぢんぼおおおおおおおおおっ!」 巻き添えになりフォークに突き刺さっていたり、バーナーで焼かれ黒焦げになるゆっくり。 「うー♪ うー♪」 後ろでれみりゃが踊っていた。 俺はとっさにそいつを抱きかかえる。 「うー、だっこー♪」 れみりゃは何を勘違いしているのか腕の中ではしゃぎだす。 俺はそのままカートに突っ込んだ。 「い゛だい゛よお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!ざぐやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 いくら凶器をつけたカートでも刺さらなければ意味がない。 俺はれみりゃをクッションにしてわざと突き刺したのだ。 「うおっ」 一瞬慌てた様子の男に向かって俺はライフルを放つ。 ちょうど心臓辺りを貫いた。 カートから離れると、肉汁まみれのゆっくりゃがカートの凶器に顔面から刺さったまま痙攣していた。 「ごべんだざい! ぼうじまぜんのでゆるじで!」 相変わらず意味不明だ。 俺はそいつを放り投げて頭を打ちぬいた。 「ぎぇ゛っ!」 あっけない悲鳴と共に、れみりゃは死んだ。 そんなことより、と俺は男に近づく。 男は必死にレジへ向かった。 男は店長だったらしい、最後まで客の心配をしていた。 そして…… 「6番レジへどうぞ!」 と言い残し、息絶えた。 ■■■ とりあえず薬を渡し、生存者を探してモールに向かう。 今度は玩具屋が立ち並ぶところだった。 「武器でも集めるか……」 さすがに、ライフルだけでは先程のように落としかねないので違う武器を探す。 その途中、本屋を見かけたので入ってみた。 漁るのは動物図鑑などだ。 「ない、ない……ない、か」 見当たらない。 やはり新種か。 荒らしていると、『Japanese Conversation』と書かれた本を見つける。 翻訳本らしいので、やつらの言葉がわかるかもしれない。 その時、ばさっと本が落ちた。 何かいるのかと、とっさに銃を構える。 「むきゅー」 どこからか変な声がする。 落ちた本を恐る恐るめくってみる。 すると、そこには紫色をしたゆっくり達より一回り小さいタイプのがいた。 俺はさっき拾った翻訳本をめくって、試してみる。 「アナタノ、ナマエハ、ナンデスカ?」 片言なのはしょうがないが、この際笑われてもいいのでこいつらのことを少しでも知りたかった。 「わたしはゆっくりぱちゅりーよ よろしくね」 何を言ってるのか分からないので翻訳本を見せる。 手が無いので舌と体をつかって一生懸命ページをめくる。 「『I am P.A.C.H.U.R.Y』……パチュリー?」 俺が尋ねるとこくこくと頷いた。 どうやらこのぱちゅりーとやらは知能が幼児より少し上らしい。 先程見たれいむやまりさ、れみりゃなどは子供レベルだったが、ぱちゅりーの場合は一味違う感じがした。 たのしくなったので、俺はもっと聞いてみる。 「アナタ、ドコカラ、キタンデスカ? ……I don t know。知らないか……」 ちょっとがっかりする。 じゃあ最後に、と俺は本を開く。 「ユックリシテイッテネ、ッテ?」 それにはピンと来たのか急いでぱちゅりーが本を開く。 そして必死にそこを舌で示していた。 「take it easy? ゆっくりしていってね?」 なるほど、あいつらはずっとゆっくりしていけと言ったのか。 何の為だかは知らないけど。 「モウイクネ? バイバイ」 片言で言うと、ぱちゅりーは相槌を打った。 あの程度の思考なら、まだ手に負えるかもしれない。 それに何かと役に立つ。 上を見ると、ジェットコースターが動いていた。 ……ん?動いている? 俺は二階に上がる。 するとそこには一人のピエロがいた。 「ウヒヒヒヒヒ! ようこそ!」 ピエロが笑みを浮かべた。 ちょっと怖い。 「おい、どうしてコースターは動いたままなんだ?」 「見てよ! 子供達がゆっくりたちに殺されちゃったんだ!」 話がかみ合わないが、相手に合わせる。 「殺された?」 「皆で遊んでただけなのに、いきなりやってきて子供を集団で踏み潰しちゃったんだよ……」 コースターを見ると、切り刻まれたゆっくりが恐怖の表情で乗っていた。 俺がコースターの方へ向かうと、ピエロが笑いながらやってくる。 「コースターを止めちゃダメだよ! ゆっくりたちが来ちゃうからね!」 するとピエロがチェーンソーでジャグリングを始めた。 それを見ていたゆっくりたちが興味を示して集まってくる。 「ウヒヒヒイヒヒヒヒヒ!!」 結局戦うのか……。 「ウヒィ!」 ピエロが小型チェーンソーを二刀流で振り回す。 振り回すたびにゆっくり達が切り刻まれた。 「な゛ん゛でごん゛びゅぇ゛!」 「が……ぺ、ぺぺぺっ」 俺はライフルで応戦しようとする。 が、ガチンいって弾は発射されない。 「弾切れ!?」 「うひょひょひょ!」 目の前にピエロが現れ、チェーンソーを振り上げる。 俺はとっさにゆっくりまりさを捕まえて盾にした。 「ゆっぐぢい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!! い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 目と口の真ん中を真っ二つにされる。 だが、チェーンソーのリーチを侮っていたため、俺も手のひらを切ってしまった。 応戦する手立てがないので俺は逃げた。 その時、骨董品店が目に付く。 その中に中世の斧やら侍のつかう日本刀が置かれていた。 中に入って斧を取り出し、再びピエロのところへ戻る。 「おりゃああっ!」 重いため、大ぶりになる。 ピエロはさっと避けた。 だが、その後ろにいたゆっくりれいむは逃げられなかった。 「い゛ぎぇ! が、ばっ……!」 目玉を飛び出し、口を大きく開けて絶望の表情を浮かべるゆっくり。 俺はそれを気にすることなく引き抜く。 「ひょあー!」 飛び掛ってきたピエロに対し、俺はゼンガーよろしく横ぶりで叫ぶ。 「チェエエエエエエエストオオオオオオオオオオオッ!!」 ピエロのわき腹をえぐり、ピエロは地面に落ちた。 しかもその先にはチェーンソー。 「い゛ぎぇへへへへへ!」 最後まで笑いながら、ピエロは死んだ。 俺はとりあえずコースターを止める。 すると、席に乗っていたゆっくりれいむが跳ねて俺のところにやってきた。 「おじさんどうしてはやくたすけてくれないの! ゆっくりしね!」 そう言ってタックルしてくる。 意味はわからなかったが、タックルで敵意があることがわかった。 せっかく助けたのになんてやつだ。 俺はゆっくりを持ってピエロの服を破って紐を作り、縛ってコースターの線路に置く。 「ゆ!? おじさんこれじゃゆっくりできないよ!?」 構わず俺はコースターのスイッチを押した。 ごとんごとんと音を立ててゆっくり加速を始めるコースター 。 「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛! ばやぐだづげでね゛!」 しかし、俺がコースターを止める暇も無くゆっくりれいむは轢かれた。 「ゆ゛っぐげおげげげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」 さらに車輪に引っかかったのか、ゆっくりれいむの体を引きちぎりながらコースターは進んで行く。 液体が俺の肌に飛び散ったので舐めて軽い栄養補給も欠かさない。 「おーい、助けてくれぇ」 コースターにも人がいたらしく、俺はコースターを止めた。 生存者は引きちぎれたゆっくりれいむを踏み潰して俺のところへ来た。 そうじゃないと上がれなかったんだもの。 「ありがとう」 「いや、とりあえず警護室へ……」 ■■■ 生存者を助けた後、俺は日用品店へ向かう。 スポーツ用品から家庭品までそろっているところだ。 しかし、入ってみるとそこは酷いありさまだった。 天上にはゆっくりたちの死骸が吊るされており、皆恐怖の表情を浮かべていた。 「貴様! 階級と所属を名乗れ!」 後ろから何かを突きつけられる。 俺はジャーナリストなので階級も糞もない。 「答えられなければベトコンだぁ!」 危険を察知して俺は避ける。 何度もこう避けられるとは俺も運がいい。 見れば、老人が赤いスカーフをつけてハチェット(鉈、マチェット)を持っている。 (戦争体験者か) 俺はまず走ってくる老人をかいくぐり、上に吊るされたゆっくりの死骸を撮る。(エクセレン!) 写真を撮り闘いに戻ろうとしたとき、老人の姿は無かった。 「どこへいったんだ……?」 迂闊に歩けば危険なので、壁際にあとすざる。 その時、背後から鉄がきしむ音がした。 「はっ!」 気づいたときには遅く、俺の足に激痛がはしる。 どうやら男は下から襲ってくるらしい。 ならば……と俺は店をでてゆっくりたちに声をかける。 「ユックリシテイッテネ」 片言で言うと、それでも反応してくれた。 「ゆっくりしていってね!」 そして俺は手招きをしてゆっくりを呼び寄せる。 だが、日用品店の天上にいるゆっくりを見てびびってしまった。 「おじさんとはゆっくりできないよ!」 「トモダチ、ユックリ、ツカマッタ、オレハ、ナカマダ」 正直日本語ってきつい。 日本語がぺらぺら喋れる奴等がうらやましい。 ゆっくりは自分達の仲間が捕まっている事を知り、聞き入る。 どうやら罠にはまってくれたみたいだ。 「ワルイヒトヲ、タオスニハ、アソコノウエデ、jumpシテ」 ジャンプの部分だけアメリカなまりになってしまったがしょうがない。 それでもゆっくりたちはうなづき、鉄の扉の上でジャンプした。 「わるいひとをやっつけるよ!」 「やっつけるよ!」 がんがんと老人が通っていた扉を叩く。 これで老人は俺がどこにいるか分からないだろう。 扉が開く。 「ゆぶぢゃ!」 扉の上にいたゆっくりがつぶされる。 俺はその瞬間をつかい、老人を引き抜いた。 「おらっ、おらっ、オラァッ!」 パンチを三発食らわせると、老人は倒れてしまった。 気絶しているみたいなのでそっとしておく。 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 その老人に向かってゆっくりが体当たりをしていた。 俺は近くにあった芝刈り機をつかう。 そしてそのままゆっくりを轢いた。 「ぎゃぎゅぎゅぎゅぎゅゆ゛っぐり゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」 芝刈り機が通り抜けると、綺麗にゆっくりが四等分される。 だが、これではあまりおもしろくない。 俺はなにかないか探してみた。 そして……俺は面白いものを見つけた。 「うっうー♪ うぁうぁ♪」 ひょこひょこと呑気に踊っているれみりゃ。 俺はそこに秘密兵器で突っ込む。 ギュルルルルルル! 機械音にれみりゃは驚いてこっちをみた。 が、すぐにドリルの餌食になる。 「う゛ぐぇぎゅがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 ドリルはれみりゃの顔をちょうどいい具合に突き刺さる。 れみりゃは頭をぶち抜かれ即死して動かなくなったが、ドリルは動き続けているためぐるぐるとれみりゃの死体がまわる。 それをもったまま俺はゆっくりたちに突っ込む。 「うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ごわい゛よお゛お゛お゛お゛お゛お゛」 ゆっくり達は悲鳴を上げる。 だが俺はつっこむ。 れみりゃの死体の足に弾かれ、饅頭共は壁にぶつかり破裂する。 「どおじでごんだごどずべっ!」 「わ゛がら゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」 どいつもこいつも皆吹っ飛んで破裂する。 俺は愉快でしょうがなかった。 しかし自然とおなかが減ってくる。 俺はフードショップへ行くことにした。 そして、そこでゆっくりを一匹捕まえる。 「ゆ? おじさんなにするの?」 間抜けな顔で俺を見ている。 そいつをミキサーへ入れた。 通常サイズより一回り小さかったからか意外とすんなり入った。 「おじさん! ここせまいよ! ゆっくりはやくだしてね!」 そして俺はその中にオレンジジュースを加える。 「ゆ! あまあま!」 さっきまで文句を垂れていたのにオレンジジュースを入れると上機嫌になるのか。 俺は蓋を閉めてミキサーのスイッチを入れる。 「い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!! ごごがら゛だじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 ぐるぐる回転しながらも悲鳴が聞こえる。 1分くらいすると、何も聞こえなくなった。 そしてミキサーの中身をコップに移して飲んでみる。 「oh...♪」 なんともいえぬ味に俺は声を漏らす。 ゆっくりがオレンジを吸収したのか、オレンジの味はしなかったが、かわりに食べたときとはまたちがうほんのりとした甘さが舌に広がる。 「やっぱりこいつらうまいな」 俺がゆっくりジュースを飲み干し、店を出たときだった。 「ゆっかりしていってね!」 また、新種か 俺はこいつをカメラに収めた(ファーンタスティック!) あとがき ミキサーの話もでてたので。 次回はゆっかりんとまだ出てきてないのが来ます。 ストーリーをなぞりたいですがover timeまでやっちゃうとえらい面倒なので途中で切り上げることもありえます。 爆発エンドとかな。 エロも書いてるから両立きかねーよ、エロ書いてるのに虐待になりそうだぜ 過去に 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング を書いております ゆっくりデッドライジング3へ
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ゆっくり夢幻 第一夜 こんな夢を見た。 腕組をして枕もとに座っていると、あおむきに寝たゆっくりれいむが、静かな声でゆっくり死ぬよと言う。 れいむは赤いリボンを枕に敷いて、輪郭のやわらかな饅頭顔をその中に横たえている。 真っ白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、口の中は若干赤い。 とうてい死にそうには見えない。しかしれいむは静かな声で、もう死ぬよとはっきり言った。 自分もたしかにこれは死ぬなと思った。 そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込むようにして聞いてみた。 死んじゃうよ、と言いながら、れいむはぱっちりと眼を開けた。 勝気なうるおいのある眼で、長いまつげに包まれた中は、ただ一面に真黒であった。 その真黒なひとみの奥に、自分の姿が鮮やかに浮かんでいる。 自分は透きとおるほど深く見えるこの黒眼のつやを眺めて、これでも死ぬのかと思った。 それで、ねんごろに枕のそばへ口を付けて、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまた聞き返した。 するとれいむは黒い眼を偉そうにみはったまま、やっぱり静かな声で、ゆっくりしたけっかがこれだよと云った。 じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、ゆっくりみえているよと、反り返ってみせた。 自分は黙って、顔を枕から離した。腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。 しばらくして、れいむがまたこう云った。 「しんだられいむをうめてね! 大きなしんじゅ貝であなをほってね! そしておそらから落ちてくる星のかけらをおはかにおいてね! そしておはかのそばにゆっくりまっていてね! れいむはあいに来るよ!」 自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。 「お日さまがでて、お日さまがしずんで、それからお日さまが出て、またしずんで―― あかい日があっちからこっちへ、あっちからこっちへとおちていくうちに―― おにいさんはゆっくりまてる人?」 自分は黙ってうなずいた。れいむは静かな調子を一段張り上げて、 「ひゃくねん待っていてね!」と思い切った声で言った。 「ひゃくねんおはかでまっていてね! ゆっくりあいにくるよ!」 自分はただ待っていると答えた。 すると、黒いひとみのなかに鮮やかに見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。 静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、れいむの眼がぱちりと閉じた。 長いまつげの間から涙が頬へ垂れた。――もう死んでいた。 自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。 土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂いもした。 穴はしばらくして掘れた。れいむをその中に入れた。 そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。 それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。 長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑らかになったんだろうと思った。 抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。 自分は苔の上に坐った。 これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。 そのうちに、れいむの言った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。 それがまたれいむの云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。 一つと自分は勘定した。 しばらくするとまた唐紅(からくれない)の天道がのそりと上って来た。 そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。 自分はこういう風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。 勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。 それでも百年がまだ来ない。 しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分はれいむにだまされたのではなかろうかと思い出した。 すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。 見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。 と思うと、すらりと揺らぐ茎のいただきに、心もち首をかたむけていた細長い一輪のつぼみが、ふっくらとはなびらを開いた。 真ん丸な赤ん坊れいむが鼻の先でゆらゆらと揺れた。 そこへはるかの上から、ぽたりと露が落ちたので、れいむは自分の重みでふらふらと動いた。 自分は首を前へ出して冷たい露のしたたる、丸いれいむを齧った。 自分がれいむから顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、あかつきの星がたった一つ瞬いていた。 「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。 第三夜 こんな夢を見た。 赤ん坊まりさをおぶってる。たしかにまりさの子である。 ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、盲饅頭になっている。 まりさが赤ちゃんの眼はいつ潰れたのと聞くと、ずっとむかしだよと答えた。 声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。 左右は青田である。道は細い。鷺の影が時々闇に差す。 「たんぼへかかったね!!!」と背中で云った。 「ゆっ、どうしてわかるの?」と顔をうしろへ振り向けるようにして聞いたら、 「だってさぎさんが鳴いたよ!!!」と答えた。 すると鷺がはたして二声ほど鳴いた。 まりさは我が子ながら少し怖くなった。こんなものを背負っていては、この先どうなるか分からない。 どこかにゆっくり捨てようと向うを見ると闇の中に大きな森が見えた。 あそこならばと考え出す途端に、背中で、 「ゆゆん」と云う声がした。 「わらわないでね!」 子供は返事をしなかった。ただ 「おとーしゃん、まりちゃはおもい?」と聞いた。 「おもくないよ!」と答えると 「ゆっくりおもくなるよ!!!」と云った。 まりさは黙って森を目じるしにはねて行った。田の中の道が不規則にうねってなかなか思うように出られない。 しばらくすると二またになった。まりさは股の根に立って、ちょっと休んだ。 「いちがゆっくちたっているはずだよ!」と子ゆっくりが云った。 なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。 表には左り日ケ窪、右堀田原とある。 闇だのに赤い字が明らかに見えた。赤い字はいもりの腹のような色であった。 「ゆっくちひだりへいっちぇね!」と子ゆっくりが命令した。 左を見るとさっきの森が闇の影を、高い空からまりさらの頭の上へなげかけていた。 まりさはちょっと躊躇した。 「えんりょちないでね!!!」と子ゆっくりがまた云った。 まりさは仕方なしに森の方へはね出した。 腹の中では、よくめくらのくせに何でも知ってるなと考えながら一筋道を森へ近づいてくると、背中で、「めきゅらはゆっくりふじゆうだね!」と云った。 「だからおんぶしてあげてるでしょおおおお!」 「ゆっ、おんぶありがちょうね! でもばかにしてりゅね! おやにまでばかにされちゃったよ!!!」 何だかいやになった。ゆっくりしないで森へ捨ててしまおうと思って急いだ。 「もうちょっといくとわかりゅよ!――ちょうどこんなよるだったよ!!!」 と背中でひとりごとのように云っている。 「ゆゆっ? なんのこと?」ときわどい声を出して聞いた。 「なんのことって、しってるでちょ!」と子ゆっくりはあざけるように答えた。 すると何だか知ってるような気がし出した。けれどもはっきりとは分からない。 ただこんな晩であったように思える。そうしてもう少し行けば分かるように思える。 分かっては大変だから、分からないうちに早く捨ててしまって、安心しなくってはならないように思える。 まりさはますます足を早めた。 雨はさっきから降っている。路はだんだん暗くなる。ほとんど夢中である。 ただ背中に小さい子まりさがくっついていて、その子ゆっくりがまりさの過去、現在、未来をことごとく照らして、寸分の事実も洩らさない鏡のように光っている。 しかもそれが自分の子である。そうして盲目である。まりさはたまらなくなった。 「ここだよ、ここだよ! ちょうどその杉のねもとだよ!!!」 雨の中で子ゆっくりの声ははっきり聞こえた。まりさは覚えず留まった。 いつしか森の中へ入っていた。一間ばかり先にある黒いものはたしかに子ゆっくりの云う通り杉の木と見えた。 「おとーしゃん! そのすぎの根のところだったね!!!」 「ゆっ、そうだよ!」と思わず答えてしまった。 「ぶんか五年たつどしだったね!!!」 なるほど文化五年辰年らしく思われた。 「おとーしゃんがまりちゃをころちたのは、いまからちょうどひゃくねんまえだね」 まりさはこの言葉を聞くや否や、今から百年前文化五年の辰年のこんな闇の晩に、この杉の根で、一人の子まりさを殺したと云う自覚が、忽然として頭の中に起った。 まりさはひとごろしだったんだねと始めて気がついた途端に、背中の子まりさが急に石地蔵のように重くなった。 第九夜 魔法の森中が何となくざわつき始めた。 今にもスペカバトルが起こりそうに見える。 焼け出された魔理沙が、夜昼となく、屋敷の周りを暴れまわると、それを夜昼となくアリスがひしめきながら追っかけているような心持ちがする。 それでいて森のうちはしんとして静かである。 巣には若い母れいむと子れいむがいる。父まりさはどこかへ行った。 まりさがどこかへ行ったのは、月の出ていない夜中であった。 巣の中でわらじをはいて、黒い頭巾をかぶって、裏口から出て行った。 その時母れいむのくわえていた雪洞(ぼんぼり)の灯が暗い闇に細長く射して、古い檜を照らした。 父まりさはそれきり帰って来なかった。 母れいむは毎日子れいむに「おとーさんは?」と聞いている。子れいむは何とも云わなかった。 しばらくしてから「あっち」と答えるようになった。 母れいむが「いつかえってくるかな!!!」と聞いてもやはり「あっち」と答えて笑っていた。 その時は母れいむも笑った。そうして「ゆっくりかえってくるよ!!!」と云う言葉を何べんとなく繰り返して教えた。 けれども子供は「ゆっくり」だけを覚えたのみである。 時々は「おとーさんはどこ?」と聞かれて「ゆっくち!」と答える事もあった。 夜になって、あたりが静まると、母れいむはリボンを締め直して、小枝を髪の間へ差して、子れいむを背中へ背負って、そっと巣から出て行く。 母れいむはいつでも素足だった。子れいむはこの饅頭の音を聞きながら母の背中で寝てしまう事もあった。 土塀の続いている涸れ川を西へくだって、だらだら坂を降り尽くすと、大きなイチョウがある。 このイチョウを目じるしに右に切れると、一丁ばかり奥に朱塗りの鳥居がある。 片側は田んぼで、片側は熊笹ばかりの中を鳥居まで来て、石段をぴょんぴょん登ると、暗い神社になる。 鳥居まで来て、それを潜り抜けて二十間ばかり敷石伝いに突き当ると、古い拝殿の前に出る。 ねずみ色に洗い出された賽銭箱の上に、大きな鈴の紐がぶら下がって昼間見ると、その鈴のそばに博麗神社と云う額がかかっている。 博の字が、ゆっくりした書体にできているのが面白い。 そのほかにもいろいろの呪符がある。 たいていは巫女の手にした呪符を、倒した妖怪の名前に添えたのが多い。 たまには帽子を納めたのもある。 鳥居をくぐるとたまに巫女が掃き掃除をしている。 石畳に饅頭肌の音がぴちゃぴちゃする。 それが拝殿の前でやむと、母れいむはまず鈴を鳴らしておいて、すぐにしゃがんでジャンプをする。 たいていはこの時フクロウが急に鳴かなくなる。 それから母れいむは一心不乱にまりさの無事を祈る。 母れいむの考えでは、まりさがゆっくりしたまりさであるから、ゆっくりの神の博麗へ、こうやって是非ない願をかけたら、ゆっくりかなうはずだと一途に思いつめている。 子れいむはよくこの鈴の音で眼をさまして、あたりを見ると真暗だものだから、急に背中で泣き出す事がある。 その時母れいむは、ゆっくりしていってねと叫びながら、背を振ってあやそうとする。 するとうまく泣きやむ事もある。 またますますはげしく泣き立てる事もある。 いずれにしても母れいむは容易に立たない。 一通りまりさの身の上を祈ってしまうと、今度はリボンを解いて、背中の子を前へ廻して、口にくわえて拝殿へのぼって行って、 「あかちゃん、ゆっくりまっていてね!!!」と自分の頬を子供の頬へすりつける。 そうしてリボンを長くして、子れいむを縛っておいて、その片端を拝殿の欄干にくくりつける。 それから二十間の敷石を往ったり来たりぴょんぴょんお百度を踏む。 拝殿にくくりつけられた子れいむは、暗闇の中で、リボンのゆるす限り、広縁の上を這)い廻っている。 そういう時は母れいむにとって、はなはだ楽な夜である。 けれども縛った子れいむにゆんゆん泣かれると、母れいむは気が気でない。 お百度の足が非常に早くなる。大変息が切れる。 仕方のない時は、中途で拝殿へ上がって来て、いろいろすりすりしておいて、またお百度を踏み直す事もある。 こういう風に、幾晩となく母れいむが気を揉んで、夜の目も寝ずに心配していた父まりさは、とくの昔にお兄さんのために虐殺されていたのである。 こんな悲しい話を、夢の中で母から聞いた。 (原案、漱石:夢十夜) ===================================================================== YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 このSSに感想を付ける